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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

スーパーやコンビニの総菜、味覚障害の恐れ、生命の危険も…サプリでかえって栄養欠落も

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 それらの害を防ぐために通常、亜鉛のサプリメントには銅が配合されています。もちろんプロマックには銅は含まれていません。プロマックは、錠剤1錠、または顆粒1包(0.5グラム)の中に、亜鉛が16.9ミリグラム含まれています。通常、1日2回服用という指示が出るようです。そうすると、1日の亜鉛摂取量はプロマックだけで33.8ミリグラムとなり、1日の推奨量の3倍を超します。継続して服用した場合、過剰摂取になることは考えなくていいのでしょうか。

 亜鉛と銅の理想的な摂取比率は、亜鉛=10に対して銅=1だといわれています。プロマックを服用した場合、確実に亜鉛の過剰摂取が起きます。

 筆者が知る医療関係者の多くは、味覚障害の患者に対してプロマックを処方するのが正しいかどうかについて疑問を持っていますが、実際には処方されています。ついでですが、プロマックは、本家本元の胃潰瘍治療薬としても、銅欠乏症の副作用が報告されており、使用上の注意も改訂されています。

 しかし、ここで単純にプロマックを処方する医療関係者(主に医師)を批判するのは間違いだと思います。医療機関に診療を求める患者のなかには、薬を出さないと文句を言う人もかなりいます。そんな人に限って、薬について薬剤師たちが詳しく説明しようとしても聞く耳を持たず、少しでも体調に変化があれば副作用だと騒ぎだします。「処置なし」とはこのことです。だから、医療関係者がまじめに味覚障害の人に食事の大切さを説こうとしても、受け入れられないというのが現実です。

 人間の感覚はすべて大切なものだと思いますが、筆者は味覚がもっとも大切だと言いたい。なぜならば、生命をつなぐ食べ物がまず入ってくるのが口で、味覚によって、それが食べていい物かどうかを判断しているからです。本来であれば、自分にとってふさわしくない、安全でない食べ物は口に入れたとたんに吐き出します。味覚が狂ってしまうと、または味覚がなくなってしまうと、その判断ができなくなります。つまり、それは生命の危機に直結するのです。

 現代人は、その味覚が鈍くなっています。人によっては、味覚が失われています。これは、生命力が極端に弱まっていると考えるべきでしょう。味覚障害になってから医療機関を頼るのではなく、日々の食生活を見直すべきです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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