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話題の本の著者による特別寄稿

山口組分裂騒動の行方を握るキーマン「高山清司若頭」の七代目就任は既定路線!抗争激化は2年後か

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『菱の血判 山口組に隠された最大禁忌』(サイゾー刊/著: 藤原良)


 衝撃の分裂から1年――いまだ膠着状態が続く六代目山口組神戸山口組。その分裂の原因であり、山口組史上最大のタブーに切り込んだ問題作『菱の血判 山口組に隠された最大禁忌』(サイゾー刊)が話題だ。著者の藤原良氏はアウトロー分野の取材、執筆については定評のある人物。本稿では、今回の分裂騒動の最大のキーマンとその行方について書き下ろしてもらった。

 2017年1月下旬に会津小鉄会の人事をめぐって、会津小鉄会総本部(京都)に神戸山口組と六代目山口組の組員たちが押し寄せるという騒動が起きた。神戸山口組と六代目山口組の双方に付き合いがあった会津小鉄会のトップ人事は、神戸派にも六代目派にも大きな影響を与えた。騒動の結果、会津小鉄会には神戸派の新会長が誕生した。

 この騒動を受けて、マスコミ等では、京都を舞台にした代理戦争の勃発を予感させる記事が飛び交ったが、現段階では突入することはない。

 そもそも六代目山口組は、若頭が社会不在である。この若頭とは、いうまでもなく山口組分裂の原因を作った筆頭格である髙山清司若頭である。その張本人が娑婆にいない状態で、いったい何をどうするというのだろうか? 髙山若頭は収監される前、一時、弘田三代目を名乗ったが(その後に抹消)、実態としては弘道会総裁としての本質的地位を持っている。六代目山口組では分裂騒動に関わる喧嘩事はすべて弘道会が引き受けるとされているが、同組織の本質的総裁が社会不在の状態で、ご時世的に会の存続に関わるような本抗争を起こすことはヤクザの掟に反する。いわゆる、小競り合いや局地的な衝突というものはあったとしても、六代目山口組が本抗争を起こすことはない。ただし、これは抗争厳禁というよりは、長期待機ととらえたほうが正確である。

 髙山若頭が恐喝罪で警察に逮捕されたのは2010年。その後、病気療養による勾留停止期間があったりして、懲役6年の有罪判決確定で府中刑務所に収監されたのは14年である。そして、髙山若頭の出所予定は、19年頃、早ければ18年の末である。懲役6年の実刑とはいえ、未決勾留日数分を差し引いたり、病気であったりすることを考慮すると、必ずしも6年間ではなく6年間未満とされるのが現法である。六代目山口組発足時の司忍組長の懲役6年の実刑判決も実際は5年4カ月で満期終了となって出所している。つまり、あと2年足らずで髙山若頭が出所してくるのである。弘道会はもちろん、六代目山口組は、髙山若頭の出所を待つことが、現在の最大の行動指軸となっている。若頭が出てくるまでは「長期待機」なのである。

髙山若頭の引退はあるのか

 髙山若頭は高齢を理由に出所後に即引退するのではないか? という憶測がマスコミを中心に囁かれてもいるが、六代目山口組内では出所即引退は一切ないと断言されている。

 髙山若頭が出所後に、時期を見て、六代目が引退し、髙山若頭が七代目組長になることはほぼ確定路線とされている。その上で、六代目山口組は長期待機を解いて神戸山口組と本抗争に入るかどうかという見通しである。「神、再び降臨」となるか「神、低迷」となるか。

 神戸派は「やられたらやる」「来たらやる」という姿勢を貫いているので、神戸派から六代目派に対して大きく仕掛けるということはない。現在の六代目山口組と神戸山口組の膠着は、言い換えれば「長期待機」と「来たらやる」という対立状態ということである。

 長期待機という状況が六代目山口組にとって組織内再構築の期間となるのか、それとも長期低迷期間となってしまっているのかまでは分からないが、若頭不在の六代目山口組にとっては、どちらにせよ苦しい時期であることに変わりはないのである。

 拙著『菱の血判 山口組に隠された最大禁忌(タブー)』には、六代目山口組の中枢を掌握し、100年目の分裂の原因となった弘道会がいかにして権力を奪取していったのかを克明に書いている。興味をもった方はお目通しいただきたい。
(文=藤原 良)

●藤原 良
週刊誌や雑誌・マンガ原作・月刊誌等でアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある