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フジ『嫌われる勇気』に中止要請のアドラー学会へ、専門家が疑義 「あんな抗議しなくていい」

文=森井隆二郎/A4studio
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フジ『嫌われる勇気』に中止要請のアドラー学会へ、専門家が疑義 「あんな抗議しなくていい」の画像1『嫌われる勇気 自己啓発の源流 「アドラー」の教え』(岸見一郎、古賀史健/ダイヤモンド社)

 岸見一郎氏と古賀史健氏による共著『嫌われる勇気 自己啓発の源流 「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)は2013年の発売時、初版は8000部にすぎなかったが、「オリコン2016年年間“本”ランキング」で53万5370部の売り上げを記録するなど、フタを開けてみれば100万部を優に超える大ベストセラーとなった傑作である。

 今なお売れ続けている同書のメインテーマは、オーストリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラーが提唱した“アドラー心理学”だ。登場人物は「人は変われる、世界はシンプルである、誰もが幸福になれる」と唱える“哲人”と、それを「看過しがたい理想論」だと否定する“青年”。この2人の対話形式で、読者をアドラー心理学の世界へと誘っていく。

 教育現場をはじめとして巻き起こっている大きなムーブメントに乗るかたちで、今年1月からフジテレビの木曜劇場として、同書を原案とした連続ドラマ『嫌われる勇気』の放送が始まった。タイトルこそ同じではあるが、内容は「アドラー心理学を地で行く」という女性・庵堂蘭子(香里奈)が主人公の刑事ミステリードラマだ。警視庁コンサルタントの大学教授・大文字哲人(椎名桔平)がアドラー心理学の解説をするシーンこそあれ、原作からすると、ずいぶんと思い切ったアレンジが施されている。

 同ドラマは、視聴率の面では苦戦している模様で、キャスティングなどの諸要素はともかく、原案を充分に生かしきれていないという批判的な声も少なくない。

 さらに2月上旬、悪い意味で注目を浴びることになった。日本アドラー心理学会からフジテレビ宛に「内容について、きわめて重大な問題がある」「放映の中止か、あるいは脚本の大幅な見直しをお願いしたい」と訴える抗議文が発表されたのだ。

香里奈演じる“アドラー女子”に学会が猛反発

 ドラマの主人公は、公式設定いわく“一匹狼タイプ”の女性刑事で、「その推理、明確に否定します」「それは私の課題ではありません」といった決めゼリフを持つ。自分の意志をひたすら貫く捜査スタイルで、周りの反感を買いつつも数々の難事件を見事に解決してしまうエースとして君臨している。

 そんな主人公を、日本アドラー心理学会は「(アドラーが提唱している)『相互理解のための努力』や『一致に到達する努力』や『意見や信念を分かちあうための努力』の側面を放棄しているように見受けられます」と指摘。

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