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吉田潮「だからテレビはやめられない」

『カルテット』、みんなが夢中の高橋一生よ、その「切なさ」はメガトン級だよ…画面の片隅で

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高橋一生(「舞プロモーション HP」より)

 昨年あたりからブレイクをはたした坂口健太郎や星野源。「塩顔」なるジャンルだそうで、女子の間では人気急上昇だ。ただし、男性のなかには「え? あれはイケメンのジャンルなの?」と疑問を抱く人も少なくない。わかりやすい「俺様的な熱さの二枚目」ではなく、「平熱、なんなら低体温のボク」が女性にウケている。カッコイイ俺、はウケない時代なのだ。

 そして、今。高橋一生が女性たちから熱いまなざしを一身に集めている。なんだかごく普通の人に見えるし、決して若いわけでもないのに。みんな一生に夢中である。

 若い女性から中年女性まで、ぎゅっと心をわしづかみにしているのは、骨と血管がセクシーという外見だけではない。彼の高い演技力と低い自己評価である。視聴率はイマイチ振るわないものの、インターネット上では大絶賛ドラマ『カルテット』(TBS系)でも、あますところなくその演技力を発揮している。おそらく、「切ない」を微表情で体現できる、数少ない俳優のひとりだ。簡単と思うかもしれないが、「切ない表情をして!」と言われたらできるだろうか? そもそも「切ない」を言葉で表現するのも案外難しい。それを高橋一生はこなす。しれっとこなす。ドヤ顔せず、画面の片隅できっちりこなすのだ。

 昨日(7日)の『カルテット』でも、セリフは少なめの回だったのに、演じる切なさはメガトン級だった。

 切ない高橋一生を堪能できる作品としては、『Woman』や『Dr.倫太郎』(共に日本テレビ系)、『プリンセスメゾン』(NHK BSプレミアム)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)あたりを推したい。

 あ、お気づきかと思うが、私も高橋一生に熱をあげているひとりだ。まったく別の、キレッキレの高橋一生を観たいなら、『モザイクジャパン』(WOWOW)、『民王』(テレビ朝日系)をチェックしてほしい。

 もうひとつ、彼の自己評価の低さは、トーク番組などで滲み出ていた。『A-studio』(TBS系)に登場したときの、なんともいえない戸惑いとはにかみ。本人は一歩引いて自分を見ているのだが、女性たちは勝手に色づけしていく。「苦労人フィルター」や「家族を支えるお兄ちゃんフィルター」で。視聴者は高橋に対して、妹モードになったり、母モードになったりで大忙し。そして、女性誌「an・an」(マガジンハウス)でまさかのヌード。今度は女モードを刺激されたわけで。女たちに消費されていく高橋一生。今後の出演作にも注目していきたい。
(文=吉田潮/ライター・イラストレーター)

●吉田潮(よしだ・うしお):
ライター・イラストレーター。法政大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。「週刊新潮」(新潮社)で「TVふうーん録」を連載中。東京新聞でコラム「風向計」執筆。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)などがある。

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