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秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

ヨード液うがいは無意味、水のほうが効果大…うがいより、頻繁にお茶飲用が効果大

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「Thinkstock」より

 2002年から03年の冬季に北海道から九州まで全国18地域で、うがいの風邪予防効果を世界初の無作為割付で検証する研究を、京都大学が行いました。

 ボランティア387名を募り、くじ引きで「水うがい群」「ヨード液うがい群」「特にうがいをしない群」の3群に割り付け、2カ月間にわたって割り付けられたうがい行動をとってもらい、風邪の発症を追跡しました。その結果、1カ月・100人当たりの発症率は、うがいをしない群が26.4人、水うがい群は17.0人、ヨード液うがい群は23.6人でした。水うがいをした場合の発症確率は、うがいをしない場合に比べて40%低下することになります。一方、ヨード液うがいでは12%の低下にとどまり、統計学的にも意味のある抑制効果は認められませんでした。

 水うがいだけで効果が出たのは、水の乱流によってウイルスそのものか、埃の中にあってウイルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流されること、水道水に含まれる塩素がなんらかの効果を発揮したことなどが考えられます。

 また、ヨード液でそれほど効果が出なかったことについては、ヨード液がのどに常在する細菌叢を壊して風邪ウイルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害したりする可能性が考えられます。

 インフルエンザウイルスは湿度に弱く、60%の湿度で不活化します。部屋を加湿すること、マスクで喉や鼻を加湿することが大切です。

 そして、実はうがいよりもっと効果のある方法があります。

 それは「のみうがい」です。うがいで喉を洗い、加湿するのは有効ですが、インフルエンザウイルスは喉にくっつくと20分で細胞の中に入り込んでしまうのです。つまり20分おきにうがいしないとインフルエンザは予防できないことになります、そこで「のみうがい」の出番です。

 お茶やお水のペットボトルを卓上に置いておき、5分毎くらいにほんの一口飲むだけです。液体がのどを通ることにより表面に付着した細菌やウイルスが洗い流され胃に落ちていきます。胃の中は強力な胃酸で満たされているので、大抵の病原体は死んでしまうのです。

 一番のおすすめは「しお茶」です。出がらしのお茶に、一つまみの塩を入れただけです。塩が入ると、浸透圧の関係で粘膜への刺激が弱くなります。塩味の濃さは涙か鼻水くらいが良いでしょう。お茶は沸騰したお湯でつくるので殺菌されており、茶の葉のカテキン、ポリフェノールの効果も期待できます。
(文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長)

●秋津壽男(あきつ・としお)
秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1988年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、『長生きするのはどっち?』『ガンにならないのはどっち?』古いワインの解説書の『古酒礼賛』などがある。

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