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安中千絵「食は体を表す」

なぜ低所得者は肥満&病気になりやすい?米・パンまみれの食事NG、安い健康食品はこれ!

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「Thinkstock」より

 昨年11月にアメリカ大統領選でトランプ氏が当選したが、この結果は国民の貧富の格差拡大への強い不満が導いたといわれている。アメリカでは単に貧富の差だけでなく、貧富の差がもたらす健康格差が顕著であり、貧困者の肥満などが1980年代頃から大きな問題となっているが、日本でも近年、経済状態による健康格差が徐々に広がってきており、低所得者に肥満が多い傾向があることが指摘されるようになってきた。

貧困だとなぜ太るのか?


 価格の安い食品は、糖質主体のものが多い。安くて手軽にぱっと食べられる食品を思い浮かべていただきたい。おにぎり、サンドイッチ、菓子パンにうどん、即席麺にスナック菓子など、どれも糖質が主体の食品だ。ファーストフードのメニューを見ても、たんぱく質や野菜、果物などの割合は低く、ほとんどが糖質中心で構成された食品だ。

 こうした食品は、糖質が多く、素早く血糖値を上げる食品のため、食べた直後の満足感は大きいが、脂肪を蓄積させるホルモンであるインスリンを過剰に放出させるので、肥満につながりやすい。また、消化が早く腹持ちが悪いため、すぐにお腹が空いてしまうので、また食べるという悪循環に陥る。

 さらに、カロリーは高いがビタミンやミネラルに乏しいため、栄養を体内でうまく利用することができず、体調不良にもなりやすいのだ。

 日本では経済状態にかかわらず、忙しさから手軽さを求めて糖質主体の食事をしがちな人も多いが、こうした食品は肥満や生活習慣病を招きやすいことを理解して、思い当たるふしがある人は食生活を早急に改めることをおすすめしたい。

値段が安くても栄養価が高い食品


 値段が安いのに栄養価が高いおすすめの優秀食材は、豆腐や納豆、卵だ。

 卵は完全栄養食品といわれるほどアミノ酸スコアが高く、ビタミンやミネラルに富んでいる。また、卵黄に含まれるレシチンは脳の働きを良くし、脂肪肝の予防効果が期待できる。またコンビニエンスストアでも、サラダチキンやおかずのパックなど、手軽に食べられるおかず系の食品が手に入るのは心強い。鶏肉や豚肉も安価なので、食費の予算が少なくとも栄養バランスを取ることは、日本では難しいことではなく、意識ひとつで健康格差を縮めることは充分可能である。

野菜・果物を食べる


 厚生労働省が毎年行っている「国民健康・栄養調査」をみると、低所得層は野菜や果物の摂取が少ない。これは野菜や果物の値段が高いことが一番の原因だろう。しかしこれも、にら、もやし、ニンニクの芽、豆苗、にんじんなど季節変動が少なく安価な野菜を利用することで解消できる。また、果物は今の季節ならみかんなど、旬で大量に採れるものは安いので、積極的に食べたい。

 経済状態で健康格差が生まれると聞くと、なんとも殺伐とした嫌な世の中になったと感じるが、経済状況より、情報格差が健康格差を生むという考察もある。健康に関する情報に敏感になることで、格差を是正し、健康社会を実現していきたい。
(文=安中千絵/管理栄養士、フードコーディネーター)