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成馬零一「ドラマ探訪記」

ドラマ『カルテット』は「事件」である…見る人によって異なるストーリー、松たか子は悪女か聖女か

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火曜ドラマ『カルテット』|TBSテレビ」より
 いよいよ『カルテット』が最終回を迎える。


 TBS系で火曜22時から放送されている本作は、登場人物が「全員、片想い 全員、嘘つき」という触れ込みでスタートしたラブサスペンスだ。

 第1ヴァイオリン奏者の巻真紀(松たか子)、第2ヴァイオリン奏者の別府司(松田龍平)、チェロ奏者の世吹すずめ(満島ひかり)、ヴィオラ奏者の家森諭高(高橋一生)は、ある日、カラオケボックスで偶然知り合う。意気投合した4人は弦楽四重奏団、カルテットドーナツホールを結成。別府の祖父が所有する軽井沢の別荘で共同生活を送りながらライブ演奏を行うようになる。

 しかし、実は4人が出会ったのは偶然ではなかった。

 別府は真紀への恋心から、すずめは真紀の義母・巻鏡子(もたいまさこ)から真紀の夫・幹生の殺害疑惑を調査するように頼まれ、家森は病院で知り合った幹生から真紀がベランダから突き落とそうとしたという話を聞いてユスろうと、それぞれ偶然を装って真紀に近づいたのだ。

 はたして、真紀は夫を殺したのか……。

 脚本の坂元裕二は『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)や『最高の離婚』(同)などの作品で知られる人気脚本家。また、昨年大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)と同じ枠で放送されるということもあり、『カルテット』には放送前から注目が集まっていた。

 平均視聴率は10%前後と決して高いとはいえないが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)での盛り上がりが熱狂的で、特にツイッターをにぎわせている。

なぜ人は『カルテット』に引き込まれるのか?


 本作の魅力は、大きく分けて2つ。ひとつは、別荘で暮らす4人の日常生活だ。坂元は役者の魅力を引き出す会話劇に定評のある脚本家で、「唐揚げにレモンをかけるか」といった、日常会話で使いたくなるような「あるあるネタ」を盛り込んだキャッチーなセリフが次から次に登場する。

 坂元の脚本を軸に4人の名優のカルテットによって生まれる会話劇は実に心地よく、ずっと4人のやりとりを見ていたくなる。しかし、その心地よさは、それぞれが嘘をついていることによって成立している偽りの関係で、いつか終わりが来るものだ。だからこそ、一つひとつのやりとりが切なく感じられる。

 もうひとつの魅力は、先が読めないミステリアスなストーリー。

『わたしたちの教科書』(フジテレビ系)や『それでも、生きてゆく』(同)など、坂元作品にはミステリー仕立ての謎で物語を引っ張る展開が多い。それらの謎は、あくまで理解しがたい人の心を描くための小道具だった。

 しかし、『カルテット』は人間心理の謎だけでなく、「物語がどこに向かうかまったくわからない」という意味において、作品自体が謎に満ちていた。

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