ビジネスジャーナル > ライフニュース > 人間ドックとがん検診の真実  > 2ページ目
NEW
新見正則「医療の極論、常識、非常識」

【人間ドックとがん検診の真実】無意味で、かえって「悪い事態」のケースも?

文=新見正則/医学博士、医師

擬陽性

 非常識君の意見です。

がん検診などでは、がんと疑われて、しかし精密検査の結果、がんでないという人が少なからず生じます。擬陽性ということです。すると、『がんでなくてよかった』という結論ですが、実は検査をしなければ、こんな無駄な時間とお金は不要だったということになります。そして、何よりがんではないかとハラハラして過ごす日々がなんと無駄であったことでしょう。そして、この時間が人生のなかでとんでもないストレスを感じた無益な日々ということになります。むしろ、この擬陽性が最大の問題だろうと思っています」

 極論君の意見です。

「擬陽性がストレスを生じることに異論はありません。しかし、毎年検査を受けていれば、そして異常がなければ、安心なのです」

 非常識君の追加意見です。

「むしろ、人間ドックや健診で異常がないと言われて、かえって無理を続ける人が少なからずいます。そうであれば、人間ドックや健診を受けるよりも、日常生活の管理、いわゆる養生を心がけたほうが、長生きするようにも思えるのですが」

 常識君のコメントです。

「健康に注意を払うことは大切です。ですからそんな観点から、人間ドックや健診を受ければいいのではないでしょうか。治療手段がない病気や、死ぬまで放置しても問題ない進行の遅いがんなどは見つからないほうがいいかもしれません。しかし、医療は進歩していますので、早期発見で命拾いするがんも、また疾病もどんどんと増えています。ですから、あまり極端なことを言わずに、適切に人間ドックや健診を利用すればいいのではないでしょうか。何より、調子が悪いときには早急に病院を受診するべきです。また、どんな項目をどのくらいの頻度で受けるかは、いろいろなことを気軽に話せる『かかりつけ医』の先生と相談してください」

(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

【人間ドックとがん検診の真実】無意味で、かえって「悪い事態」のケースも?のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

RANKING

5:30更新
  • ライフ
  • ビジネス
  • 総合