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40代男性の突然の倦怠感や体調不良、「更年期」=病気の恐れ…放置すると深刻な事態に

文=吉澤恵理/薬剤師

LOH症候群の治療法

 有効な治療法としては、男性ホルモン補充療法(TRT)があります。男性ホルモン補充療法は、筋肉注射、内服薬、外用薬があります。しかしながら、日本ではLOH症候群の認知度が低く、その治療に対する環境は整っていません。現在、保険診療で行えるのは筋肉注射だけで、一般に用いられているのはデポ製剤のエナント酸テストステロンです。このデポ製剤を1回125mgまたは250mgを、2~4週ごとに注射します。筋肉注射は、注射部位に疼痛を生じさせ、また血中濃度が注射の前後で大きな差が出てしまうため治療効果に個人差が出るという難点があります。このほかの選択肢としては、経口薬と経皮外用薬がありますが、いずれも自由診療です。精巣機能を高めるような漢方薬の服用も有効です。

 病院での治療だけではなく、生活習慣によってもLOH症候群を軽減することができます。具体的には、次のような方法です。

(1)十分な睡眠…十分な睡眠は、疲労回復やストレスの軽減になり、テストステロンの分泌を促します。
(2)テストステロンを増やす食事…ニンニク、玉ねぎなどのネギ類は男性ホルモンの生成を促進します。亜鉛を含むカキなどはテストステロンの生成量を増やします。また、肉類、卵、乳製品などのタンパク質も効果的です。
(3)運動…運動による脳や筋肉への刺激がテストステロンの合成を促します。また、運動による血流増加により、末梢血管の循環も改善し、さまざまな不調の改善につながります。

 一番大事なのは、楽しいと感じる時間を持つことです。食事なら家族や友人と楽しく食べることが効果的です。趣味を持つことや人と交流することは脳への刺激となりますので、習い事なども効果的です。働き盛りの時期をLOH症候群などでパワーダウンすることのないよう、今回の記事が読者の皆様の健康維持を考えるきっかけとなれば幸いです。
(文=吉澤恵理/薬剤師)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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