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4月2日はなんの日?国連が定めた世界的記念日…青いアイテムを身につけて応援

文=ヘルスプレス編集部
いまだにある「自閉症は親のしつけの問題」という誤解~理解されにくい「発達障害」の画像14月2日は「世界自閉症啓発デー」(depositphotos.com)

 4月1日はいわずと知れた「エイプリルフール」。この日ばかりは嘘をついても閻魔様から許されるというが、毎日がエイプリルフールのような人も少なくない現代である。だが、その翌日の4月2日が何の日なのか、知っている人はいるだろうか--。

 家族や友人に自閉症の人がいるなら、知っているかもしれないが、この日は国際連合が定めた「世界自閉症啓発デー」だ。そして、4月2~8日は「発達障害啓発週間」。自閉症をはじめとする発達障害への理解を深める期間なのだ。

 世界中のランドマークがブルーにライトアップされるイベント「ライト・イット・アップ・ブルー」によって、「テレビで見たことがある」とピンと来る人もいるだろう。

 日本でも東京タワーをはじめ、札幌市時計台、千葉ポートタワー、都庁第一本庁舎、横浜マリンタワー、五箇山菅沼合掌造り集落、善光寺、富士急ハイランド観覧車、京都タワー、通天閣、神戸ポートタワー、福岡タワー、ハウステンボス――官民を超えて今年も多くの施設でライトアップを行う。

自閉症は「親のしつけ」の問題ではない

 世界自閉症啓発デーは、2007年の国際連合総会で採択され、翌08年より自閉症の啓発を目的に記念日となった。

 というのも、「自閉症」と聞いてもどんな障害なのかよく知らないという人が大多数だからだ。世界には何百万人もの自閉症を抱える人がいるが、なかなか理解を得られているとはいえず、むしろ疎んじる傾向さえある。単に「わがままを言っている」と厳しく叱られたりすることも少なくない。

 しかし、自閉症は生後3年以内に発現する脳の機能障害で、しかも一生続くもの。アスペルガー症候群など軽い症状を含めた自閉症スペクトラム障害と診断される人は、およそ100人に1人いるという。

 その症状は、人とコミュニケーションをとることができない、会話が苦手、興奮するとところかまわず跳びはねる、走り回る、奇声を発する、手をヒラヒラさせる、音や光に過敏、人の気持ちを理解できないなど。

 こんな子どもを町で見かけると「親のしつけが悪い」などと思ってしまいがちだが、脳のどこかに機能障害があって起こるもので、決して後天的なものではないのだ。

自由にならないカラダに苛立つ苦しさ

 重度の自閉症を抱える作家・東田直樹さんが中学生のときに書いたエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』(2007年・エスコアール出版部、2016年・角川文庫)は、自閉症の人の心のなかを理解するためのバイブルと言えるだろう(参考記事「自閉症家族のバイブル! 『自閉症の僕が跳びはねる理由』でその世界を垣間みる」)。

 その内容は、跳びはねる理由をはじめ、バラバラの記憶が突然フラッシュバックされパニックに陥ること、どこまでが自分の手や足なのかわからない感覚、人と会話ができないつらさなど、質問に答えるかたちで書かれている。

 この本はイギリス人小説家デイヴィット・ミッチェルさんが翻訳し、世界の20カ国以上で出版されベストセラーになっている(『THE REASON I JUMP』)。自身も自閉症の息子をもつミッチェルさんは、この本との出会いにより息子を理解することができたという。

 実の親や家族にさえ、なかなかわかってもらえない自閉症の人たち。日々、自由にならない自身の体に苛立つだけでなく他人から疎んじられることも多々あり、孤立していることが少なくない。

 世界自閉症啓発デーは、そんな自閉症の人々を理解するきっかけとなる日。先の東田さんが怖いものは「人の視線」だという。物珍しげに、あるいは困った対象として視線を向けられることが多いのだろう。彼らの行動や態度にはそれぞれ意味があることを知り、優しいまなざしで温かく見守っていきたいものだ。

 4月2日は「ライト・イット・アップ・ブルー」だけでなく、自治体やNPO法人などが講演会や自閉症の人のアート展、映画・DVD上映、自閉症啓発アピール・ウォーク、コンサート、ワークショップなどのイベントを開催する予定だ。

 どこかにブルーのものが入ったアイテムを身に着け、参加してみてはいかがだろうか。
(文=ヘルスプレス編集部)

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