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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」(3月17日)

市販の歯磨き剤は危険?歯周病の原因に?発がん性や毒性含有の恐れ

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
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市販の歯磨き剤は危険?歯周病の原因に?発がん性や毒性含有の恐れの画像1「Thinkstock」より

 テレビでは、歯周病を防ぐという歯磨き剤のCMが多く流されています。それだけ歯周病になる人が多いということなのでしょう。あるCMでは、日本人の「5人に4人が歯周病」と、その多さを強調しています。では、なぜこれほど歯周病になる人が多いのでしょうか。実はその原因は、みなさんが毎日の歯磨きに使っている歯磨き剤にある可能性が高いのです。

 歯周病とは、歯の周りの組織(歯周)が炎症などを起こして不健康な状態になることです。歯の周りの歯肉が腫れる、痛む、血が出るといった状態を歯肉炎と呼び、それが広がって歯周が炎症を起こした状態を歯周炎と呼びます。この歯肉炎と歯周炎を合わせて歯周病といいます。

 歯周病も、歯肉の炎症程度ならば、不快に感じるとはいえ生活に支障はありませんが、さらに進行して歯を支えている歯槽骨にまで影響が出てくると事態は深刻です。歯は歯槽骨によって支えられていますが、歯周病が進むと歯槽骨が次第に溶け出すのです。それは徐々に進行し、やがては歯を支えられなくなり、歯が抜けてしまうことになるのです。

 歯周病の最大の原因は、歯と歯茎の間にできる歯垢(プラーク)です。これは、食べかすや細菌、そして細菌の代謝産物からなるものです。食事をした後に鏡で歯を見ると、歯と歯茎の間に食べかすが付着しているのがわかるでしょう。時間がたつと、それらによって細菌が増殖し、代謝産物が出て歯垢になるのです。

 ちなみに、歯垢が石灰化したものを歯石と呼びます。歯石になると容易に除去することができず、歯科医院で取ってもらわなければならなくなります。歯石自体に病原性はありませんが、歯垢が付きやすくなり歯周病になる可能性が高くなります。

 歯垢では細菌が増殖し、毒素を作ります。それが歯肉に作用して歯肉炎を引き起こし、やがて歯周炎へと発展します。また、歯垢に含まれる細菌は、歯を溶かす酸も発生させるため虫歯にもなりやすいのです。さらに、歯垢は口臭の原因ともなります。つまり、歯垢は口内トラブルの元凶なのです。ですから、口内を健康に保つためには、この歯垢をいかに除去するかが非常に重要なのです。

 歯垢をきれいに取り除くためには、歯垢の溜まりやすい歯と歯茎の間を歯ブラシで丁寧にブラッシングすることがなにより重要です。ただし、これには時間がかかります。歯の1本1本を表裏、さらに歯と歯茎の間を小刻みに丁寧にブラッシングしなければならず、相当な時間がかかるのです。ちなみに筆者の場合、少なくとも30分くらいはブラッシングをしています。しかし、なかなかそんなに長い時間ブラッシングはできない人が多いでしょうから、手早くとも丁寧に歯と歯茎の境目をブラッシングして、食べかすの付着をなくすことが重要です。

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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