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使命は「育てながら勝つこと」プロ野球二軍監督が陥る中間管理職の悲哀

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※画像:『プロ野球・二軍の謎』(田口壮著、幻冬舎刊)

 3月31日は、野球ファンが待ちに待ったプロ野球の開幕日である。

 WBCも甲子園もいいけど、やっぱり贔屓チームを応援したいということで、球場に足を運ぶ人やテレビ観戦をする人は多いことだろう。

 しかし、プロ野球といっても注目を集めるのはあくまで「一軍」の話、二軍は、普段スポットライトが当たることはほとんどない、いわばプロ野球の日陰の部分である。

 故障や不調で一軍から落ちてきた選手、いつか一軍に上がることを夢見て鍛錬を重ねる若手らが束の間交差するプロ野球の二軍とはどんな場所なのか。

■日本シリーズ制覇・ワールドチャンピオンを両方経験した男

 田口壮さんといえば、1990年代、オリックス・ブルーウェーブでイチロー選手と共に活躍し、96年には日本一に貢献。メジャーリーグでは、2度のワールドチャンピオンに輝いた名選手。広い守備範囲と強肩に魅了されたプロ野球ファンも多いだろう。

 田口さんは2012年に引退後、野球解説者を経て、16年から古巣のオリックス・バファローズの二軍監督を務めている。

 『プロ野球・二軍の謎』(田口壮著、幻冬舎刊)は、その田口さんが、アメリカ・マイナーリーグも含めた「二軍のリアル」を明かす。日本の一軍二軍、アメリカのメジャーとマイナー、すべてを経験した氏ならではの苦労話は野球ファンのツボだろう。

■「育てながら勝つ」二軍監督の抱えるジレンマ

 先述のように、現在はオリックス・バファローズの二軍監督を務めている田口さんだが、プロ野球の二軍監督というのは微妙な立場である。

 あくまで二軍の目的は、一軍で活躍できる選手の育成である。それが大前提としてあるかぎり、一軍から求められれば、二軍の主力選手を一軍に送り出さなければならない。

 一軍と同様、二軍にもペナントレースや日本一決定戦がある真剣勝負である。その大事な試合でも、一軍のチーム事情次第で選手を差し出さなければならず、なおかつ試合にも勝ちたい。二軍監督はすべからくこのジレンマを抱えているのだ。

 就任2年目となる田口さんは、二軍監督は一般企業でいう「中間管理職」という立場が一番近いと感じているという。常に上司(一軍)からの期待に応えられるように準備をし、部下(コーチや選手たち)の状況を把握して、どちらにとっても仕事がしやすいように、臨機応変な調整役でいなければならないからだ。

■かつての「新人類」も、若手選手との世代差に苦労する日々

 「新人類」と呼ばれた世代の田口さんだが、今は監督として、親子ほども年の離れた20代の若い選手を指導する立場である。

 この世代間ギャップは一般社会もプロ野球の世界も変わらないようだ。47歳の田口さんの学生、現役時代は「うさぎ跳び」もやれば、水も飲まない、という「ど根性主義」の時代。もちろん今の選手にそのやり方は通じない。

 年の離れた選手たちに説得力を持たせるために、田口さんは「指導者側の意見を一致させること」そして、「理路整然と説明をして選手を納得させていくこと」に取り組んだ。

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