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ヤマト、「アマゾン貧困」で利益なき繁忙…ドライバーの過酷労働を犠牲にアマゾン急成長

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アマゾンの宅配はヤマトに集中

 一方、ネット通販最大手のアマゾンジャパンは急成長を遂げた。米アマゾンの16年12月期決算によると、日本における売上高は31%増の107.9億ドル(約1兆2000億円)。14年の79.1億ドル、15年の82.6億ドルから大きく伸び、日本円で1兆円の大台を突破した。

 アマゾンが消費者に支持されたのは、無料配送や即日配送を実施しているからだ。つまり、宅配会社と二人三脚で築き上げてきた配送サービスにあるといえる。アマゾンの配送の大半は、ヤマト運輸と佐川急便が引き受けてきた。

 ところが、佐川急便が13年4月、アマゾンの宅配から撤退した。採算が取れなくなったことが理由だ。その結果、ヤマト運輸が一手に引き受けることになった。

 ヤマト運輸の取扱個数は急増したが、宅配単価は下落し利益にはつながらなかった。アマゾンが時間指定や当日配送といったサービスを拡充すればするほど配達効率が下がり、ヤマト運輸の利益を圧迫するかたちになった。荷物が集中する年末などの繁忙期には、外部委託費がかさみ、減益の要因となった。

 今後の焦点は、最終的な値上げ幅とネット通販業者側の対応に移る。

 ヤマト運輸は、アマゾンをはじめ大口顧客と運賃値上げ交渉を始める。これにより、通販側が配達業務の一部をヤマト運輸以外の業者に振り向ける可能性が出てくる。佐川急便はアマゾンから撤退しているため、宅配のシェア拡大に注力している日本郵便がヤマト運輸に取って代わる可能性がある。

 ネット通販会社が値上げを受け入れれば、消費者が支払う商品価格に送料が上乗せされることになり、送料無料の時代は終わる。

 通販業界の専門紙の通販新聞は3月16日付で、ヤマト運輸の運賃値上げに関して、主要企業30社を対象に緊急アンケートを実施した。

「値上げについては人手不足やドライバーの労働環境改善など致し方ないと一定の理解を示す一方、最大荷主と思われるアマゾンジャパンとヤマト運輸の問題とした上で、それに巻き込まれることに当惑しているところが少なくない」と分析した。

 スマホの普及で物販消費の5%近くまでシェアを拡大したネット通販は、急激に巨大になりすぎて、宅配業界をノックダウン寸前に追い込んだ。

“黒猫”が、ネット通販の巨人・アマゾンに踏みつけられ、悲鳴を上げている図なのである。
(文=編集部)

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