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「預金があふれかえる」三井住友銀、「重大な決断」で地銀切り捨て…容赦ない銀行再編

文=編集部

県内1位、2位の統合に公取委の壁

 地銀再編には3つのパターンがある。

 ひとつ目は県内首位地銀と2位地銀の統合。第四銀行と北越銀行がこれにあたる。

 2つ目がメガバンク主導の再編。近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行の3行の統合がこれに該当する。

 3つ目は県内トップに対抗する県内2位と3位の連合。三重県が典型的な例だ。2月28日、貸し出しで三重県2位の三重銀行と第二地銀の第三銀行は経営統合すると発表した。県内で断トツの百五銀行の対抗軸となることを目指す。

 難問となるのは、県内首位と2位の統合だ。長崎県首位の十八銀行と同2位の親和銀行を傘下に抱えるふくおかフィナンシャルグループ(FG)の統合計画に対して、公正取引委員会が「県内の貸出シェアが7割に達する」(地元の有力企業)として待ったをかけた。

 福岡銀行を核に、熊本ファミリー銀行(現・熊本銀行)、親和銀行の統合を主導して、ふくおかFGを設立した福岡銀行の谷正明会長は、十八銀行を傘下に組み入れることを狙ったが、公取委が谷会長の野望の前に立ち塞がった。谷氏は地銀再編について、「県境にとらわれない経済の道州制」と主張、県内シェアにこだわる公取委に対する不満を口にしている。

 新潟県では、第四銀行と北越銀行の統合で県内の貸出シェアは5割に達する。公取委が、これをどう判断するかがポイントだ。5割は良くて7割超はダメとなるのかが注目される。「第四銀行と北越銀行の経営統合を、金融庁が後押ししている」(有力地銀の頭取)とされる。この合併を突破口に、「十八銀行がふくおかFG入りすることを公取委に認めさせようとしている」(別の地銀頭取)とみる向きも多い。

 十八銀行と親和銀行、第四銀行と北越銀行の統合を、もし公取委が認めれば、堰を切ったように各県で1位と2位の統合が加速することになるだろう。

 注目は、過疎化で人口減が進む東北だ。特に岩手県はあきらかなオーバーバンキングで、いずれ再編は避けられない。岩手県では断トツの岩手銀行、3番手の東北銀行の第一地銀と、2番手で第二地銀の北日本銀行がひしめき合っている。岩手銀行がどちらと統合しても貸出シェアは5割を超える。

 東北銀行は規模が小さく、東日本大震災後に公的資金を受け入れており、岩手銀行としては魅力的な結婚相手とはいえない。一方、北日本銀行は宮城県や青森県にも店舗を持ち、岩手県内よりも、青森県2番手行のみちのく銀行が統合相手にふさわしいとの指摘もある。

 確実に動くと見られているのが、フィディアホールディングス(HD)と、じもとホールディングス(HD)の統合だ。フィディアHDは荘内銀行と北都銀行が経営統合した。じもとHDは仙台銀行と、きらやか銀行が一緒になった。2つのHDは、共に本社を仙台市に置いている。仮に大同団結すれば、同じく仙台市にある東北最大の地銀、七十七銀行の背中が見えてくる。
(文=編集部)

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