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博報堂、国勢調査告知で「間引き」疑惑…国から受注の契約回数満たさぬまま満額請求か

文=黒薮哲哉/「メディア黒書」主宰者
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 これを前提として、政府広告の新聞掲載は、次のような契約になっている。該当部分を引用する。

「上記『7(2)~(6)』の各期間に全国紙5紙【筆者注:朝日、読売、毎日、産経、日経】の朝刊に掲載すること。内容については、訴求内容に応じて各社提案によるものとする」

 掲載時期は、契約により上記(2)~(6)の各期間に設定されていたのである。それに連動して国勢調査を段階的に進めるからだ。いわば告知と調査は車の両輪の関係にあったのだ。

 ところが、筆者がこの期間に政府広告が本当に掲載されているかを、新聞の縮刷版を使って調べたところ、次々と未掲載が確認された。そこで博報堂に問い合わせたところ、延べ回数で12本しか掲載していないことが判明したのだ。

 筆者は16年12月27日にメールで博報堂の広報部へ、「国勢調査のスケジュールに連動して、5回(筆者註:5ステージの意味)の記事下広告を掲載する」契約だが、「掲載紙(中央紙5紙)に版下を搬入」したかどうかを質問した。これに対する博報堂の回答全文は以下のとおり。

「ご指摘の『5回の記事下広告の掲載』というのは、『全国紙5紙の朝刊に掲載すること』という記載のことを、おっしゃっていらっしゃいますでしょうか。 実際の出稿は以下のとおりです。既に新聞に掲載された、言わば公開情報ですので、当社からご回答申し上げます。

(1)8月24日 朝日新聞(全国朝刊)、毎日新聞(全国朝刊)、読売新聞(全国朝刊)、日本経済新聞(全国朝刊)、産経新聞(全国朝刊)5紙に全2段の新聞広告を掲載。

(2)9月17日 読売新聞(全国朝刊)に連載漫画下に広告を掲載。

(3)10月1日 朝日新聞(全国朝刊)、毎日新聞(全国朝刊)、読売新聞(全国朝刊)、日本経済新聞(全国朝刊)、産経新聞(全国朝刊)5紙に半5段の新聞広告を掲載。

(4)10月8日 読売新聞(全国朝刊)に連載漫画下に広告を掲載。

以上、延べ12紙に広告は掲載されています。
(1)~(4)は広告原稿の内容も異なります。ご確認いただければと思います。よろしくお願いいたします」

 引用文でも明らかなように「延べ12紙」と明記している。本来であれば掲載回数は25回だが、実際は12回しか掲載していない。

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