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スバル、奇跡の急成長に危機の兆候…自慢の高利益率が急低下、相次ぐ役員退任

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 スバルの米国販売は依然として伸びているものの、「販売競争が激化しており、スバル車といえども今後、インセンティブを積み増さないと厳しくなるのは確実」(自動車ジャーナリスト)とみられ、利益率に影響する。スバルにとって米国での販売台数やインセンティブの動向が、業績を大きく左右する。もともと「米国一本足打法であることが経営の最大のリスク」(アナリスト)とされていただけに、リスクが現実の危機になりかねない状況だ。

 トランプ米政権の政策も今後の懸念材料のひとつだ。同政権は貿易赤字削減に向けて日本との通商交渉を本格化させる。スバルは同政権が批判しているメキシコに工場は持っておらず、米国販売の伸びに伴って米国工場の生産能力を増強している。それでも、米国で販売している60万台のうち、米国生産は40万台で、残りの20万台は日本からの輸出だ。これに加え、スバルは米国で車両は生産しているものの、エンジンは日本から輸出しており、現地調達率が高いとはいえない。日米の通商政策見直しは、スバルにとって大きな経営のリスクになる可能性がある。

 さらに、為替水準が円高ドル安傾向となっていることによる業績への影響は避けられない。1円の円高で営業利益が100億円以上悪化するほど、為替の影響を大きく受けるスバルの業績に深刻な影響を及ぼす可能性がある。すでに16年4-12月期の業績は、販売台数が伸びているにもかかわらず為替差損で営業減益となっており、営業利益率は前年同期の18.0%から12.6%にまで低下している。さらに円高が進めば業績に大きなマイナスのインパクトを与える。

経営体制の一部を刷新


 潮目が変わりつつあることを感じてか、新生スバルは経営体制の一部を刷新する。今年6月、生産部門のトップだった近藤潤副社長が代表権を返上して会長に就任、開発部門トップの武藤直人取締役専務執行役員が退任する。近藤氏も武藤氏も吉永社長よりも年上。吉永社長より1歳下の高橋充取締役専務執行役員も6月で退任するなど、世代交代を進める。

 また、同年代の日月丈志取締役が代表権を持ち、実質ナンバー2となり、吉永―日月体制で経営を主導する。11年にスバルのトップに就任した吉永氏も今年で7年目。米国事業の成功によって販売台数、業績ともに拡大一辺倒できたことから長期政権を樹立してきたが、次の世代へのバトンタッチも視野に入れている模様だ。後任には6月にボードメンバー入りする岡田稔明常務執行役員、加藤洋一常務執行役員の2人が有力視されており、早ければ18年にもトップ交代が予想される。

 ただ、米国市場の動向によっては経営環境も一変する可能性もある。吉永社長の思惑通り、吉永―日月体制で、市場環境の変化を乗り切り、スムーズに新しい経営体制にバトンを引き継いで持続的な成長を実現できるのか。「奇跡的な成長」を遂げてきたスバルは正念場を迎える。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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