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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

誰しも死ぬ時に逃れられない「多額の費用」…より安く済ませるための生き方

文=新見正則/医学博士、医師

 常識君の解説です。

「ワクチンの宣伝をみても、肺炎による入院費用はこんなにも高額で、その費用が削減できますといった文言を目にします。たしかに肺炎による入院費用は削減できるかもしれませんが、今度は別の肺炎で入院するかもしれません。肺炎以外の病気で入院するかもしれません。つまり、ある病気は先延ばしできても、いかに死ぬかを考慮しないと、医療費の削減にはならないということです」

 非常識君が言います。

「僕が噛みついているのは、予防医療にお金を使うということなのです。お金がかからない病気の予防策はどんどんやるべきです。禁煙の励行を奨めるとか、適度な運動をしろとか、バランスのよい食事をしろとかです。生活の質を維持するために、ワクチンを打ったり、生活習慣病の内服治療を行ったりすることはまったく賛成です。注意してもらいたいことは、いくら病気を回避してもいつかは死ぬのだから、そこで相当額の治療費が必要になり、それは先延ばしされるだけで、逃れることはできない費用だということです」

 極論君の意見です。

「確かにそうですね。野生の動物が死ぬときは、どこかわからないところで息絶えるそうです。人もそんなシステムができれば、医療費は削減されるでしょうが、そんなことあり得ませんね。みんなのお金を適切に使用する仕組みを考える必要があります」

 3人とも同じような論調に収まりました。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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