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学園長なのに「学校に来ない子のほうが素晴らしい」と自著に書いてしまった真意とは!?

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不登校にありがとう』(サイゾー刊)

 不登校を扱った教育本は世の中に数々あるが、そのほとんどが言わんとすることは読まずとも想像できる。「不登校でもいいじゃないか」「不登校でも大丈夫ですよ」と、現状を肯定する内容であるに違いない。もちろんそれでいい。

 だが、『不登校にありがとう』(サイゾー刊)と題するこの本は一味違う。女優の酒井彩名さんの父親である著者の酒井秀光氏は、千葉にある成美学園高等部学園長だが、前書きからいきなり「不登校になってくれたおかげで、素晴らしい人生の道が開けます」「必ず『不登校に感謝』する時が来るでしょう」と、あたかも不登校こそ優れているかのように説くのだ。

 本を手にした人は誰しも、「それはいくらなんでも言い過ぎだろう」と思うに違いない。だが、これは「信じればかなう」といったたぐいの怪しげなスピリチュアル本ではない。過去10年間にわたってさまざまな親子と接してきた教育者が、その経験を踏まえて実態に即した具体的なアドバイスをくれる本なのだ。

 まず読者は、「学校に行くのが正しくて不登校は正常ではない」という認識を改めなければならない。著者は2016年9月に文部科学省が出した、「不登校は問題行為ではなく、不登校児童や生徒が悪いとの偏見を持ってはならない」という趣旨の通知を引き合いに出す。今や国も、「不登校は悪いことではない」と認めたのである。それなのに、親や本人が「後ろめたいことをしている」と感じる必要はどこにもない。むしろ、不登校の子どもは自分なりに自身の内面を見つめて成長しているのだから、親は子どもの行く末を信じて見守れというのが著者の主張である。

 エジソンやアインシュタインも不登校だった、とはよく言われる事実である。ただ、これは不登校の子どもや親にとってはあまり慰めにならない。「ああいう特別な人は別」と思ってしまうからだ。そこで著者はあるデータを提示する。不登校だった生徒が5年後どうしているかを追跡した文科省の調査だ。それによると、中学時代に不登校を経験した子どものうち約8割がきちんと就学または就労していたという。それでも親は、残りの2割になったらどうしようと心配してしまうかもしれないが、大切なのは長い目で我が子を見守ってあげることなのだ。

 とはいえ、我が子が不登校状態にある時に明るく前向きでいることは難しい。そんな親に向けて著者は「学校に行くか否かは(略)人生全体という視点から俯瞰すれば、たいしたことではありません」と言い切る。今の学校に向かないだけで、ほかの学校に向いているのかもしれない。学校というものに向いていなくて、社会に出てから輝くタイプなのかもしれない。そんなふうに考えることで、子どもに対しても広い心で接することができるのだ。

 不登校の子どもこそ優れていると著者が考える理由は、この本の最後で明かされる。ここでは伏せておくが、これからの時代に必要なある資質を持ち合わせているのだという。そこを読めばきっと誰しも「その発想があったか」と膝を打つに違いない。
(文=編集部)

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