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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

高価な目薬=効果が高いとはいえず…開封1カ月以上だと激痛や雑菌感染の危険

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
高価な目薬=効果が高いとはいえず…開封1カ月以上だと激痛や雑菌感染の危険の画像1「Thinkstock」より

 花粉症、ドライアイ、疲れ目など、目のトラブルをかかえている方にとって、手軽に薬局で買うことができる目薬は今や生活の必需品となっています。多くの方が使っている目薬ですが、手軽に手にすることができるからこそ、正しい取り扱いを知らずに間違った使い方をしているケースも多くみられます。

 本連載前回記事では、「正しい目薬のさし方」について述べましたが、今回は目薬についてよく聞かれる質問を例に、「目薬の正しい取り扱い」について確認していきましょう。

使用期限

Q.目薬の使用期限はどのくらい?

A.薬局などで買った市販の目薬を最後まで使い切るという方は、実はそれほど多くないのではないでしょうか。使い切る前に症状が良くなって使うのをやめてしまったり、持っていることを忘れて新しい目薬を買ったりして、使いかけの目薬が何本かあるというご家庭も多いかもしれません。

 市販の目薬の外箱には、その目薬の使用期限が記載されています。その多くは製造後3年程度とされています。しかし、これはあくまで「未開封」の状態での期限です。使用期限を確認するために外箱を捨てずにとっている方もいますが、開封してしまえばその使用期限は当然ずっと短くなります。

 厳密に決まっているわけではありませんが、市販の目薬の使用期限は、「開封後およそ1カ月」と思ってください。目薬のキャップを開けた瞬間から空気に触れる上、目薬をさすときに先端が指やまつ毛に触れたり、高温の場所で長時間保管することもあるでしょう。開封してから時間がたてばたつほど、雑菌などによって汚染される可能性が高まることになります。

 雑菌の繁殖を防ぐために防腐剤などが添加されている目薬も多いですが、それでも開封後もその効果が長く維持されるとは保証されていないため、概ね1カ月で使い切るようにしてください。

 開封後の目薬の使用期限が約1カ月というのは、「かなり短い」との印象をもたれた方も多いと思います。前回記事で「1回に滴下する量は1滴で十分」と説明しましたので、毎日使っても1カ月では使い切れないと思われた方もいるでしょう。

 目薬の容器から出る1滴の量は、約50µlといわれています。一般的な目薬の容量を12mlとして計算してみましょう。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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