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白髪が増えるほど心疾患リスク増大?毛髪の色と狭心症や心筋梗塞の発症リスクに関連性判明

文=ヘルスプレス編集部
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色素幹細胞の枯渇から白髪になる

 日本でも白髪の研究は進んでいる。

 東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授らの研究グループが、白髪になる仕組みを解明した、とアメリカの国際科学誌Cell(セル)に、2009年6月12日付で掲載発表した。(Cell. 2009 Jun 12;137(6):1088-99. doi: 10.1016/j.cell.2009.03.037.)

 グループは、02年に黒髪の色素を作る色素幹細胞を初めて発見し、05年には色素幹細胞が枯渇すると白髪になることを発見しているが、マウス実験で、黒髪の色素(メラニン)をつくる「色素幹細胞」が DNAの損傷を修復できずに「自己複製」しないで、すべて分化することがわかった。その結果、色素幹細胞が枯渇して色素をつくる細胞がなくなり、白髪になるという。

 これまで謎が多かった白髪の原因は解明されつつある。これまでは遺伝、加齢、生活習慣、病気の4つが白髪になる原因とされてきたが、細胞レベルの劣化による白髪の発現メカニズムが少しずつ解明されている。若い時期に発生する白髪も、こうした研究で次第に明らかになるだろう。

 カイロ大学Irini Samuel氏「白髪と心疾患の関連性における遺伝的・環境的な機序をさらに解明し、女性にもこの知見が当てはまるのかを調べるためには、さらなる研究が必要だ」と述べ、すでに心疾患リスクが高いとわかっている人には、定期的に検診を受けるよう勧めている。

 この研究結果はスペイン、マラガで4月6~8日に開催された欧州心臓病学会(ESC)のEuroPrevent 2017で発表された。学会発表された研究は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。

 白髪と心疾患のリスクにおける加齢の相関性は極めてわかりやすく、至極当然のように感じられる。今後は加齢における細胞レベルの劣化や遺伝的要素の更なる解明が望まれる。
(文=ヘルスプレス編集部)

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