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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

胃腸の不調でがん、動脈硬化、認知症のリスク増…プチ断食、見た目の若さや健康に劇的効果

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

胃腸を休めてオートファジーのスイッチをONにする

 昨年、東京工業大の大隅良典栄誉教授が、ノーベル医学生理学賞を受賞しました。細胞自身が不要なタンパク質を分解する「オートファジー」の仕組みを分子レベルで解明し、評価されたことによる受賞でした。

 私たちの身体には、細胞の質を落とさないために、オートファジーという細胞が掃除してリサイクルするシステムが備わっています。オートファジーとは「オート(=自分自身)」と「ファジー(=食べる)」を組み合わせた造語で、日本語では「自食作用」と呼ばれます。私たちの身体の60兆個ともいわれる細胞は、代謝を繰り返し不要な老廃物がたまっていきます。これを放っておくと、細胞が正しく機能しなくなり、病気や老化の原因にもなります。この不要なものを自分自身で食べて分解し、さらに新たに必要なものにつくり替える「リサイクル機構」がオートファジーです。

 オートファジーは、細胞内を丸ごと掃除するシステムなので、ばい菌やミトコンドリアなどの大きなものまで一掃することができます。また、必要か不必要かを判断し、選択的にリサイクルするシステムも備わっています。

 このオートファジーのシステムを日頃から活性化することが、細胞の若さを保ち健康を維持していくことにつながります。

 たとえば、脳細胞にアミロイドベータが蓄積することが原因と考えられているアルツハイマー病や、中脳黒質神経細胞の変性がかかわっているパーキンソン病なども、オートファジー機能の低下と関係があると考えられています。さらに、がんの発症にもオートファジーがかかわっていることがわかっています。

 この素晴らしいオートファジーの働きを最大限に発揮させることができるのが、ファスティングです。飢餓状態をつくることで、オートファジーが活性化するのです。24時間断食をすると、オートファジーが活性化され、細胞内の不要なものが分解され始めるといわれています。逆に、オートファジーの働きを最も低下させてしまうのが、食べ過ぎなのです。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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