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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

住宅購入はあと5年待て?住宅価格&賃料が大暴落の兆候…未曾有の大量建設ラッシュか

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 所有者の多くは高齢者とみられ、後継者不足もあり、なかには農業を継続できない人もいると思われます。かといって土地は少なくとも500平米以上あるため、その固定資産税が宅地並みになればあまりに高額となる。

 そのため土地所有の維持ができず、売却などで一斉に手放す地主が続出する可能性があるわけで、それが1992+30年=2022年というわけです。

 そして、それを大きなビジネスチャンスとして虎視眈々と狙っているのがハウスビルダーやマンションデベロッパーであり、これが供給過剰をもたらし地価下落の引き金を引く可能性が指摘されているのです。

 では、現在生産農地がどのくらいあるかというと、平成26年のデータでは以下の通りです。

生産緑地(ha)         東京ドーム(4.6ha)約〇個分
埼玉県  1,824.80 397
千葉県  1,188.51 258
東京都  3,329.80 724
神奈川県 1,404.10 305
愛知県  1,206.02 262
大阪府  2,100.40 457

 つまり東京都だけでも、ドーム724個分の生産緑地があることになります。もちろん、すべての生産緑地が解除されることはないですし、土地開発の際には道路用地も必要なので宅地の有効面積はもう少し小さくなりますが、もしこの土地に新築一戸建てが建築されれば、あくまで机上の計算ですが、東京都だけでも25万戸以上の戸建て供給が可能です。

 これが賃貸アパートや賃貸マンションといった集合住宅であれば、賃貸物件の供給戸数も一気に増えるので、賃貸市場の需給バランスをも大きく歪めることになりかねないのです。

自治体のリーダーシップが問われる

 それをすでに経験した地域があります。かつてNHKでも特集された埼玉県羽生市です。

 羽生市は2003年、人口増を見込んで、住宅建設が原則不可となっている市街化調整区域の農地に住宅を建築できるよう条例を定めました。

 その結果、市街地から遠く賃貸には向かない立地に新築アパートが乱立し、おびただしい数の空き家を生んでしまったという話です。

 むろん政府もこの問題を認識しており、都市農地の保全を推進する姿勢を示し、生産緑地制度の改正も視野に入れているようですが、生産緑地を優遇しすぎている現状も問題だと指摘されているなど、有効打となるかは不透明です。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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