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『貴族探偵』が視聴率6%台目前…進展せぬ物語、上原多香子も無駄遣い、不安だらけ!

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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『貴族探偵』が視聴率6%台目前…進展せぬ物語、上原多香子も無駄遣い、不安だらけ!の画像1『貴族探偵』公式サイトより

 嵐の相葉雅紀が主演する月9ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)の第8話が6月5日に放送され、平均視聴率は自己ワーストの7.0%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。前回からは0.8ポイントのダウン。前回は井川遥を実質的な主役に据えて本格的なミステリードラマを繰り広げたが、視聴率アップにはつながらなかった。

 麻耶雄嵩氏の小説を原作とした今作は、自らは推理をせず、使用人に謎解きを任せる「貴族探偵」(相葉雅紀)の活躍を描くドラマ。ストーリーテラーの役割を担っている女探偵の愛香(武井咲)は、1年前に事故で亡くなったとされる師匠・喜多見切子(井川遥)の死に、貴族探偵が関わっていたのではないかと疑っている。切子は、「政宗是正」の名に覚えはないかと貴族探偵に訪ねた直後に亡くなっていたのだ。

 こうした切子と貴族探偵の因縁が前回までで明らかになったことから、今回は愛香が貴族探偵の正体に迫るかと思われたが、そうはならなかった。あろうことか、愛香が殺人事件の重要参考人として拘束されてしまったのだ。だが、肝心の事件がどうにも期待外れ。大学内で学生が殺され、誰だかよくわからない学生が犯人だったという、まったくもってどうでもいい事件でしかなかった。遺体の第一発見者がすぐに通報せず、真犯人が残した偽装の証拠を隠滅しようとしたという不可解な行動が謎解きの軸になっており、真相が明かされてもすっきりしない。

「月9初出演」という、これまたどうでもいい触れ込みで登場した上原多香子も空回り。怪しい言動で視聴者のミスリードを誘おうとするものの、ドラマの登場人物からは完全にスルーされてしまい、「私やってません」と容疑を否定するお決まりの見せ場すら与えてもらえない。珍妙なキノコカットのウイッグまでかぶって出演したのに、いてもいなくてもどちらでも良かったような雑な扱われように終始した。

ファンタジードラマだから仕方がない?

 そもそも、愛香が重要参考人でしかないのに拘束されてしまったのもおかしい。手錠こそはめられていないが、取り調べ以外の時間も部屋に1人で残されており、部屋を出た場面では刑事が左右を固めているところを見ると、ほぼ拘束されているといってよいだろう。どうも、逮捕されていない「重要参考人」と逮捕された「容疑者(被疑者)」とを視聴者が混同するように意図的に仕向けているようだ。ただ、公式サイトのあらすじには「重要容疑者」なる用語が使われていることから、スタッフが本当に混同している可能性もある。まあ、いくらツッコミを入れても「ありえないことがいっぱいのファンタジードラマ」と自らことわっている以上は仕方がないのかもしれない。

 最終的に貴族探偵のおかげで愛香の疑いは晴れたが、愛香は新たな疑念を抱いた。貴族探偵は、愛香に疑いがかかる事件を見つけてわざと自分を呼び寄せ、<自分の正体を探ると危ない目に遭うぞ>と警告したのではないか――と。だが、貴族探偵はそんな愛香の推理を鼻で笑い、「そんな回りくどいことをしなくても、愛香を抹消する方法などいくらでもある」と冷たく言い放つ。そして、切子の死についてはもう触れないほうがいい、切子もそう望んでいるはずだと忠告するのだった。

 一方、鼻形刑事(生瀬勝久)は警視庁のデータベースで「政宗是正」について調べたが、シンガポールを拠点に黒い活動をしていること以外には何もわからなかった――。

 もしかしたら、貴族探偵はとてつもない陰謀を張り巡らせているのではないかと想像させる展開。ただ、貴族探偵の正体についての話は実質的に何も進んでおらず、足踏み状態が続く。切子の過去や「政宗是正」の正体、貴族探偵は何者なのかなどについて、残りの回で回収できるのかがだんだん心配になってきた。このドラマの制作陣なら確信犯的に謎を投げっぱなしにして終わるのではないかとも思われるのだが、そうならないことを祈りつつ、ラストスパートでどんな展開を見せてくれるか期待したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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