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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

間違いだらけの爪の切り方は危険…激痛の陥入爪の恐れ、短く切りすぎは絶対NG

文=新見正則/医学博士、医師
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間違いだらけの爪の切り方は危険…激痛の陥入爪の恐れ、短く切りすぎは絶対NGの画像1「Thinkstock」より

 今回は爪の切り方のお話で盛り上がっています。

“極論君”は、「足の爪も、手の爪も、伸びればどんどんと切る。基本的に伸ばさない」という立場です。

 一方で“非常識君”は、「爪はできる限り切らない。よほど伸びて邪魔になったら切る」と言っています。

 まず“常識君”の解説です。

「爪は1日0.1mm前後伸びるといわれます。そして爪は根元のほうから生えてくるのです。爪が全部入れ替わるにはだいたい3カ月から6カ月必要です。爪が伸びてくる様子は、病気や怪我で、麻酔をして爪を引き抜いたあとの様子をみるとよくわかります」

 常識君が極論君に質問します。

「なぜ、爪を伸ばさないのですか?」

 極論君の回答です。

「爪が伸びてくると、皮膚と爪の間に汚れが入り込んで嫌なのです。ですから足の爪も短く切りますし、指の爪も短くします。特に、爪の角の部分に汚れが入り込みます。角の部分を落とすように切るので、爪を切るときはカーブを描くような形が出来上がります。そうすると角の部分のすき間がなくなるので、そこにゴミが溜まりません。そんな状態をいつも保つようにしています」

 常識君の質問です。

「特に、足の親指の角を落とすように爪を切ると、陥入爪という状態を高率に引き起こします。陥入爪とは爪が伸びて、皮膚に食い込んで、そこが傷口になってばい菌が入って、指が化膿する状態です。とても痛いですよ。ですから、爪の角は落とさないように、つまり先端をカーブさせるのではなく真っ直ぐに切ることが大切です。出来上がりの爪の形は長方形になるのです」

 極論君が反論します。

「陥入爪は爪が伸びて、そして皮膚に衝突して、傷をつくるから起こるのでしょう。そうであれば、伸びる前に頻回に爪を切っていれば、爪が衝突することは防げるように思えます」

進歩する陥入爪の治療

 常識君のコメントです。

「爪の角を落とすと、爪がどんどんと皮膚に食い込むようになります。そうすると爪の角を切ることができないほど、爪が奥に位置するようになってしまうのです。陥入爪の治療は最近20年で相当進歩しました。昔は、まず麻酔をして衝突している爪をもっと根元まで削る処置をしました。そして時間を稼いで、その間に抗生物質を投与して炎症を治めたのです。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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