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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

間違いだらけの爪の切り方は危険…激痛の陥入爪の恐れ、短く切りすぎは絶対NG

文=新見正則/医学博士、医師
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 ところが、爪は根元から生えてきます。ですから、いずれはまた爪が成長して炎症の原因となった部位に衝突します。そして炎症がまた起こるのです。再発するということです。そんなことにならないように、昔の根治術は十分に麻酔をして爪の根元までしっかりと切除しました。細い板を切り取るように爪を奥まで切除したのです。しばらくは痛いですよ。でも爪をつくる奥の部分まで切除しているので炎症の原因となった部分には爪は生えてきません。爪が細長くなったイメージになります。そんな大きな手術をしていました」

 極論君の意見です。

「そんなことになるとは知りませんでした。これからは少なくとも爪の角を残して、真っ直ぐ爪を切るように努力します。ところで陥入爪治療は進歩したということでしたが、いまはどんな方法が行われているのですか」

 常識君の回答です。

「昔は爪が皮膚に衝突しないように、爪が生えないように、奥まで切除したのです。最近は爪が生えても皮膚の上に滑り上がるように工夫します。細いワイヤーで爪の角を浮かしてみたり、特殊な装置で爪を反らすことも行われています。つまり爪を真っ直ぐ切った状態をつくりあげるようにしているのです。そうすると大きな手術が不要になります。そんな努力をしても爪が持ち上がらないときは、昔ながらの手術が行われることもあります。ともかく、爪の角が皮膚からせり上がった状態を維持することが肝要なのです。つまり、爪の角を深爪することは本当に危ないことなのです」

 非常識君が尋ねます。

「すると、やはり僕のように爪をできる限り切らないことは正解なのですね」

 常識君の説明です。

「切りすぎと比べてみれば、断然に切らないほうがいいでしょう。しかし、あまりにも爪が長いと生活に支障がでます。また爪が長くなると、角の部分から欠けることがあるのです。するとその部分からかえって陥入爪が生じます。大切なことは、爪は真っ直ぐに角を残して切ることです。どの程度伸ばすか、どの程度で爪を切るかは生活に支障がない範囲であれば、人それぞれでいいと思っています」

 今回は極論君が一人負けの日でした。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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