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韓国、米国の犠牲になることを決断で中国から報復も…韓国人が見抜いた「ニセ保守」の正体

文=深笛義也/ライター
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「アメリカがシリアを攻撃したり、レックス・ティラーソン国務長官が韓国を訪れて『北朝鮮への先制攻撃のオプションは排除しない』と言ったりしたので、韓国では4月の半ばごろにものすごく危機感が高まりました。選挙中の討論会でその話題になったとき、『もし戦争になったら、自分がまず銃を取って戦う』と真っ先に言ったのが文大統領です。

 彼は、軍隊経験があります。慶煕大学在学中に民主化運動に加わって逮捕されて、軍隊に送り込まれたのですが、特殊工作を行う『特別戦士』という所属で、特に過酷な訓練をするところでした。そこで、とても優秀な成績を収めて、当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領から表彰されています。全といえば、光州(クァンジュ)で民主化要求デモが起きたときに陸軍の特殊部隊を送り込んで市民を大量虐殺した『光州事件』の張本人ですよ。

 表彰されたのは光州事件が起きる前ですが、文大統領の発言は革新系から『なんでそんなことを言うんだ』と批判されました。しかし、そういう発言を通じて、国民には『この人は完全な左派ではなく、保守的なところもある』ということが伝わっていったのです」(同)

支持率82%、文大統領の気さくな素顔とは

 では、就任後の文大統領の韓国国内での評判は、どうなのだろうか?

「支持率は82%です。ほかの候補に投票した人たちも、今は文大統領の支持に回っているということです。文大統領は権威主義的なところが一切なく、目線が低いのです。先日は、月に1日くらい使える休暇を利用して、90歳になる母親に会いに行きました。

 韓国では、労働者が権利として持っている有給休暇も『上司の機嫌を損ねるから』という理由で、実際にはなかなか使えないことが多いのですが、大統領が進んで休暇を取ることで、国民に『有給休暇を使って休みなさい』と促しているのです。

 故郷では、近所の人たちや子どもたちと気さくに話をしたり、一緒に写真を撮ったりしていました。警備員たちは、ガードするのに大変だったのではないでしょうか。

 文大統領の奥様も、ほかの党の代表たちが訪れたときには手料理でもてなしています。今までは『大統領令夫人』という呼び方だったのですが、『令夫人と呼ばないでほしい』と言って、今はマスコミなども『大統領女史』と呼んでいます。これらは決してポーズで行っているのではなく、本当に人と人との関係を大事にする人格だからなのです」(同)

 国民との意思疎通がなかった朴政権とは大違いのようだ。文大統領の姿勢にならうかたちで、日韓間の壁が低くなることを願いたい。
(文=深笛義也/ライター)

『“独島・竹島”の日韓史』 日韓友好の長年の課題の一つとして避けて通ることのできない領土問題。日韓比較政治・比較文化研究家である著者が、19世紀中頃までの日韓の歴史を照らし合わせ韓国側の主張を提示する。 amazon_associate_logo.jpg

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