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米国、支配層とFBIによるトランプ政権転覆活動の内実…ロシア工作説の真相

構成=深笛義也/ライター

 16年7月、大統領選の民主党指名候補にクリントンが指名される民主党全国大会の前日、民主党全国委員会幹部のメールが内部告発サイト「ウィキリークス」に流出した。米政府は、サイバー攻撃にはロシアのハッカーが関与したと断定。当時のバラク・オバマ米大統領は、制裁措置として駐米ロシア外交官35人の国外退去処分にすると発表した。

「ウィキリークスに出たという報道で、一般市民の投票行動に影響を与えたということはまりません。ウィキリークスの情報に、米国民は信頼を置いていません。どちらかというと、国家の裏切り者みたいに見られているわけですから。『そんなものを使うとは、いったい何事か』という話になって、米国社会ではマイナスになります。トランプ陣営も、『ウィキリークスに情報が出たので、皆さんどうぞ見てください』というかたちの展開にはしなかった。それによって、大統領選の流れが変わったということはどこにもない。米大統領選に対してロシアは動いたのでしょうけど、選挙に影響を与えたといえるようなものは何も見えてきません」

外交におけるバックチャネル

 トランプ氏の長女の夫で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏は昨年12月、盗聴の恐れがない秘密通信回線をロシア外交施設内に設置するよう駐米ロシア大使に要請した、との報道もある。

「これがどこまで悪いかということになると、オフィシャルなチャネルは使わないということは、いろんなところで起こるわけです。ニクソン政権時代に、アメリカが中国との国交樹立に向けた交渉を進めている時に、国家安全保障問題担当大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャーが、バックチャネルを使ってなかったかといえば、使っていたわけですよ。ホワイトハウスのオフィシャルチャネルを使ったら、多くの人間に情報が漏れてしまうので、外交にはバックチャネルが必要ですが、表向きには『持たない』ということにすることはあります。なんの権限もない人間がロシアとの間で特別のチャネルを持った、『これはロシアのスパイだろう』ということを言われると、クシュナー攻撃には非常に有効ですが、本来的にはそれは認められるはずのものです」

 そもそもロシアゲートは、どのようにして持ち上がってきたのだろうか。

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