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ビックカメラの導入で注目集めるビットコイン…今買っておくのは賢明なのか?

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『仮想通貨とフィンテック』(著:苫米地英人)

 4月、経済界や金融業界に大きなインパクトを与えるひとつのニュースが流れた。大手家電量販店のビックカメラが、仮想通貨「ビットコイン」での決済を導入するというのだ。日本ではあまり浸透していなかったビットコインだが、もしかしたらこれが呼び水となり、いずれはビットコインでの決済が当たり前になる時代が来るかもしれない。

 とはいえ、仮想通貨に良いイメージを持つ人は少ないのではないだろうか。2014年に東京のビットコイン取引所であったマウントゴックスが破綻し、巨額のビットコインが消失してしまったとされる事件はいまだに日本人の記憶に新しい。これにより、ビットコインないしは仮想通貨そのものに対して「なんとなく怪しい」「裏付けがなく信頼に値しない」「投機目的に利用されるもの」というネガティブなイメージが定着してしまった。本当にビットコインや仮想通貨は信用できるのだろうか。そんな疑問を持つ人にお勧めしたいのが、この一冊だ。

 仮想通貨とは何かを知るためには、まず「通貨」の定義を知らなければならない。「通貨とは紙幣と貨幣である」というのは実は間違いで、銀行の預金通帳に書かれた数字、つまり「情報」も通貨になり得る。銀行には預金通帳に書かれた額の現金があるわけではなく、「口座にいくら預金があるか」という預金の情報があるだけだからだ。

『仮想通貨とフィンテック』の著者である苫米地英人氏は、現在「仮想通貨」と呼ばれているものは、この預金通帳のようなものだとする。取引の履歴が延々と記載される仕組みになっているのだ。特定の管理者(発行主体)がいない代わりに、常にオープンなネットワークに参加している人たちの目がチェックしており、偽造などの不正はほぼ不可能だという。

 決済手段としてはとても有用で、銀行振込やカード決済などに比べて格段に安い手数料で済む。特に、海外との取引をする際や、額面の大きな買い物をする際などに、その価値を発揮する。ビックカメラによるビットコイン決済の導入も、訪日外国人による需要を見込んだものだ。ただ、決済手段としては役に立つが、投機目的で買うのはお勧めしないというのが著者の見解だ。「ビットコインには価値の裏付けがまったくありません。買っている人たちが『価値がありそうだ』と思っている限りにおいて、価値があるのです」というのがその理由だ。

 では、著者は仮想通貨否定派なのだろうか。本書を読み進めると、決してそうではないことがわかる。むしろ、仮想通貨は今後世の中に一気に普及するかもしれず、そのおかげでインフレもデフレもなく、貧富の差がなく平等な暮らしやすい社会が実現するかもしれないと予想する。

 随分と飛躍した話に思えるかもしれないが、著者はこの理由を順を追ってわかりやすく説明する。著者の予想が正しければ、今後銀行やクレジットカード会社にとっては大激変の時代が来る。「国が通貨を発行する」という大原則が有名無実となり、一企業が実質的な通貨発行権を握るようになるかもしれない。だが、いずれは安定した社会が訪れることになるという。今すぐビットコインを買って仮想通貨に慣れておく必要はないかもしれないが、いざという時に乗り遅れないために、今からこの本で予習しておくことをお勧めしたい。
(文=編集部)

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