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メガネスーパー、8期連続赤字&3度の債務超過から奇跡の復活…客の「おメガネに適う」改革が成功

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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シニア・ミドル層の獲得に注力

 加えて、新たな販売戦略も打ち出した。メガネに起因する負担を解消するための「アイケア」重視のサービスを展開したのだ。メガネスーパーの主力顧客層は45歳以上のシニア・ミドル層だ。この層は国内人口では約半分だが、メガネ小売市場では約7割を占めるという。メガネスーパーにとっては重要顧客層で、この層の売り上げを確保する施策が求められていた。

 若者はメガネなどの商品そのものを重視する傾向がある。一方、シニア・ミドル層は商品そのものへのニーズももちろんあるが、メガネに起因する体の負担を解消したいというニーズも強いという特徴がある。しかし、アイケアに対して正しい認識をもたないシニア・ミドル層は9割にも上るという。そこで、検査やフィッティングをはじめとするアイケア重視のサービスを打ち出したのだ。

 アイケア商品・サービスの研究開発を行う研究所として「アイケア研究所」を立ち上げた。医療従事者や眼の権威、企業と連携し、アイケアの革新的な商品・サービスの提供を目指した。また、アイケア商品・サービスが充実した新業態「DOCK」や質の高いアイケアサービスを提供できる人材を育成する「MSアイケアスクール」を新たに展開している。アイケア商品・サービスを出張訪問で提供するサービスも強化している。

 メガネスーパーはアイケア重視の施策を中心に、さまざまな改革を行ってきた。また、短期的な収益改善だけでなく、中長期的に顧客満足度を高めることでリピーターの確保に努めてきた。こうしたことが功を奏し、業績がV字回復したのだ。

 売上高は15年4月期までは低下傾向を示していたが、16年4月期は前年比9.9%増の157億円に向上した。純利益は2億円(前年同期は14億円の赤字)を確保し、8期連続していた赤字から脱却することができた。17年4月期の売上高は178億円で増収を達成、純利益は1億円を確保し、連続で赤字を回避している。見事な復活劇といえよう。

 メガネスーパーの業績は確かに回復している。とはいえ、まだ黒字が2期続いただけともいえる。回復が本物かどうかを判断するには、もう少し時間が必要かもしれない。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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