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小笠原泰「日本企業は大丈夫なのか?」

東芝、消滅が濃厚…「国営」原発会社設立か、東芝・日立・三菱の事業分離し統合

文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授
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 連結売上は6.7兆円である。その後、東芝メディカルを売却、米原発子会社ウエスチング・ハウス(WH)の米国破産法申請、家電の東芝ライフスタイルの売却が次々と行われ、ヘルスケアとライフスタイルセグメントがなくなり、電力・社会インフラセグメントが分割され、コミュニティソリューションというセグメントも消えた。事業再編が行われた結果、上記の4事業領域となり、その再編から外れたのが東芝映像ソリューション、東芝クライアントソリューション、東芝テックの3社であり、主要グループ企業となった。このような経緯をみるに、主要事業領域から外れた東芝テックの売却が東芝経営層の視野に入っていると考えることは、非現実的ではないだろう。

 それでは、現在の4事業領域をみてみよう。

電子デバイス事業

 中核であるNAND型フラッシュメモリーを製造する東芝メモリの売却によって、東芝の事業領域ではなくなる。さらに海外での原子力発電事業からの撤退によって、東芝の連結売上は、6.7兆円から4兆円台前半になると予想されている。

ICTソリューション事業

 クラウド、ビッグデータ、IoT、スマートコミュニティなどはやりの言葉が掲げられているが、内実はハード売りという旧来事業モデルを脱しない印象である。東芝を支えられるような基幹ビジネスは見当たらない。システム開発の東芝ソリューションは、特許庁のシステムを受注したが、結果的にシステムを完成させることができず特許庁に賠償金を支払った過去があり、東芝の将来を支えられる技術力があると評価するのは難しい。

社会インフラ事業

 航空管制システム、水処理システム、放送システムなど公共インフラに分類される事業、空調、照明、エレベータなどのビル・施設関係事業、鉄道・産業システム事業がある。ビル・施設事業に、東芝エレベータ、LEDなどの照明を扱う東芝ライテック、空調を扱う米国キャリアとの合弁である東芝キャリアがグループ会社として加わっている。

 ビル空調などの北米事業展開は、米国キャリアに頼っているもよう。東芝ライテックが手がけるLED事業も急速な価格低下が進むなか先行きが明るいとはいえず、市場のトップ2といわれるが、後塵を拝する市場リーダーのパナソニックとはかなり水をあけられている。

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