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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

高齢者、要介護へ「移行し始め」に気がつく&脱出する方法…5つのチェック項目

文=新見正則/医学博士、医師

フレイルから脱出する方法

 非常識君の質問です。

「新しい病気を登場させたり、病気の診断基準を緩めにして病人を増やすという作戦は、薬を売りたい製薬会社の常套手段です。メタボリックシンドロームなどにもそんなきな臭さを感じます。今回のフレイルも、薬を売りたいから登場させた概念ではないのですか?」

 常識君のコメントです。

「フレイルはひとつの概念です。可逆的であるフレイルから脱出する方法としてはいろいろ提唱されています。以下が主な項目として取り上げられています。

(1)タンパク質やビタミン、ミネラルを含む食事
(2)有酸素運動
(3)薬剤の減薬
(4)感染症の予防
(5)身体活動量や認知機能をチェック

 むしろ、過量投与されている西洋薬剤の減薬が含まれているのです。ある特定の薬を売りたいから登場した概念ではないことは明白ですね」

 極論君の意見です。

「フレイルから脱出する方法は、元気な時に行うべきことばかりですね。そうすればフレイルになる時期も遅くできます。元気なうちから、病気がないときから、将来のフレイルを防止することを願って、行えばいいのです。極論的立場が好きな僕からしてみれば、『全員がこれをやれ』と当たり前のことを、あえてフレイルにも言っているにすぎないように映ります」

 常識君のコメントです。

「確かに極論君の言うとおりで、高蛋白食や有酸素運動、そして不必要な薬剤を飲まないことなどは、フレイルに該当する前から行うべきです。つまりフレイルは、そんな当たり前のことをわかりやすく説明しているともいえます。しかし、健康管理に注意をあまり払わない、またはわかっていても注意を払えない人には、フレイルという概念の登場はとても意味があると思っています。非常識君からコメントがあったように、ある薬剤を売るために登場させた概念ではないことは明白ですから」

 非常識君のコメントです。

「減薬という項目が入っているなどは画期的ですね。フレイルという概念は、健康を啓蒙する方法としては大賛成ですね」

 妙に3人とも意気投合した結論になりました。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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