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自転車保険の加入が義務化…小学生が高齢者をはね賠償金9500万円

文=ヘルスプレス編集部
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自転車保険に「加入していないが関心はある」層は42.5%

 そこで頷いたアナタ自身、5月が「自転車月間」というのはご存じだろうか。この期間に合わせて4月27日~5月9日に、共栄火災海上保険は全国の男女1104人(18~60歳以上)に向けてネット上で「自転車運転者の安全に関する意識調査」を実施した。

 こちらもほぼ1000人枠の集計で、自転車保険に「加入している」層が「38.3%」を占めたが、「加入していないが関心ある」層の「42.5%」は超えていない。

 その圏外には当然ながら、無関心層が含まれているものと思われ、「その他」+「関心ある」けれども「加入していない」=未加入層が半数以上という実態が浮き彫りにされた。

自転車でハネて重い後遺症を負わせ「約9500万円」

 前掲調査の「名前を聞いたことがある」という回答層や、この「加入していないが関心はある」人々の大半が、おそらく「自転車保険」の5文字を最初に耳にしたり関心を寄せた関連報道が、兵庫県内の男子小学生が60代女性(いずれも2013年当時)を自転車でハネて重い後遺症を負わせた事故例だろう。

 この小学生の保護者に下された神戸地裁の判決は、「約9500万円」という高額な賠償だった。衝撃的な判例は、全国の各自治体の条例案を加速化させ、ここへ来て各保険会社の補償額も「上限を引き上げる」という流れを生んでいる。

 一例を挙げれば、三井住友海上火災保険が販売し、セブン-イレブンで申し込む個人型「自転車向け保険」(3990円:対象は69歳まで)の場合、個人賠償の補償額を昨年10月に従来の1億円から3億円に引き上げられた。

 また、ドコモ利用者を対象に携帯電話で申し込むNTTドコモの個人型「ドコモサイクル保険」(月450円:加入年齢は18~70歳)も昨年10月、個人賠償の上限を3億円から5億円に改定した。

 あるいは県下条例の加入義務付けに伴い、県交通安全協会が独自に創設した「滋賀のけんみん自動車保険」などの例もあり、こちらは年間1000円のプランで「家族全員」の個人賠償が「最高1億円」まで補償され、加入対象の年齢制限も設けていない。

関連業者も「努力」を問われる時代へ

 最後に「保険加入」をめぐる趨勢を京都府の例で記せば、従来の「努力義務」から「努力」の2文字が落ちて「義務」に改められる。その義務対象者は以下のとおり、定義されている。

●自転車利用者(自身)
●未成年利用者の場合は保護者
●仕事で自転車を使う事業者
●レンタサイクル業者

 そして、保険加入推進のための「関係者の努力義務」も新設され、学校・塾関係者は通学児童や生徒らへの加入確認を怠らず、駐輪場管理者や宅地建物取引業者らについても各利用者や取引相手への加入情報提供(=その努力)を謳っている。これらの施行日は10月から(罰則はない)、一般利用者に関しては来春4月からとなるそうだ。

 高齢者のメット着用も「努力義務」から「努力」の2文字が消える日はそう遠くないかもしれない。そうなれば、メット御免のシャレ老人は「見た目の若さ」だけが唯一の免罪符となるのだろうか。(文=ヘルスプレス編集部)

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