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カウンセラーが経験した“うつ” 「できることが当たり前」を捨てることが大事

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石野:うつになる人に完璧主義が多いのは、そういう風に思ってしまうからでしょうね。できないと自分を責めちゃう。でも、赤ちゃんのときは歩けなかったし、話すこともできなかったわけだからね。

――あとは、「あの人はできるのになぜ自分はできないんだ」という比較もストレスの大きな要因の一つですよね。今はSNSで個人の情報がたくさん入ってきますが、その中の画像や動画が幸せ自慢やリア充アピールに写るということもあるそうです。

石野:先日、とある著者さんから聞いた話なんですが、Facebookを長くやっている人は幸福度が低いそうなんです。

 Facebookって基本的には投稿に「いいね!」をもらうSNSだと思うのですが、自分の投稿ネタが切れているときも、誰かの幸せを写したがどんどん流れてくるわけですよね。すると、「この子はいいな。私は載せるものがない」と考えちゃうんですって。

――つまり、幸せ自慢の場に浸ることは自分を不幸にしてしまうことでもある、と。

石野:SNSは比較の文化ですよね。私は大学でスクールカウンセラーをしているのですが、LINEでグループからはぶられたと男の子がカウンセリングに来るんですよ。今どきの悩みだなと思うけれど、その一方でコミュニケーションがすごく大変になっているとも感じます。人づきあいの仕方なんで誰も教えてくれないし。

――学生たちの心の闇を受け止めているわけですね。

石野:闇はいっぱいありますよ。あと、張り切っている人ほど燃え尽きてしまうよね。それは学生に限らず、社会人もそうだと思います。「頑張ります!」って率先して言う人ほど、燃え尽きちゃう可能性が高い。

――では、燃え尽きてしまわないようにするにはどうすればいいのでしょうか。

石野:こまめな気分転換は大事ですね。何か落ち込んだときに、自分が何をすれば心地よいのか紙に書いてまとめておくといいと思います。なぜなら、落ち込むと好きなものが分からなくなるんですよ。

――無心になれる時間が作れるものを見えるようにしておくと。

石野:そうです。猫と遊ぶとか、歌うとか、踊るでもいいです。抱えているものを忘れられる何かですね。それを見えるようにしておいて、ちょっと疲れたかなと思ったらすぐにやる。

 あとは、裸足で土の上を歩くということも結構効果あります。もちろん硝子の破片とか危険物が落ちていないか注意した上でね。人間は動物ですから、土の感触は結構大事なんですよ。土の上はちょっと…というなら、海岸の砂浜でも芝生の上でもいいです。大地のエネルギーを感じることがリセットになるんです。

――『心は1分で軽くなる!』をどのような人に読んでほしいですか?

石野:20代、30代の女性がメインですが、男性ももちろん読んでほしいですね。20代、30代って自分の価値観がまだ定まっていなくて、自分の確固たる判断基準を持っていないことが多いんです。だから悩んでしまうのだけど、誰に聞いても答えを教えてくれない。そんなときに「こういう考え方があるんだ」と参考にしてもらいたいですね。

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