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「中高生向けブランド化」するライトオン、赤字転落の裏に「深刻な問題」…ユニクロと差鮮明

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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ユニクロ、しまむらとの差

 ライトオンは近年こそ都市部の駅ビルやファッションビルに新業態店などを出店しているが、大半は郊外のロードサイドやショッピングセンターでの出店だ。ファッション感度が高い人の取り込みは遅れていたといえる。また、モータリゼーションが一巡し、ロードサイドから進む人口減少という問題に直面した。そのため、ある程度の規模になった段階で成長が止まってしまった側面がある。

 競合のユニクロはライトオンと同じく郊外のロードサイドを中心に成長してきたが、ユニクロは銀座に大型店を出店するなどブランド力を高め、ベーシックな中にも適度なファッション性を取り込むことで、ファッション感度の高い人をも取り込むことに成功した。都市部にも積極的に出店していった。昔は「ユニクロはダサい」という評価が少なくなかったが、近年はそういった声はあまり聞こえてこない。

 しまむらも同じく郊外のロードサイドから成長した企業だが、バイヤーがパリ、ニューヨーク、ロンドン、原宿、渋谷といったファッションの最先端の街を定点観測した上で流行に沿った商品を選定し、ファッション性のある商品を仕入れることができている。近年は都市部のショッピングモールやファッションビルにも出店し、ブランド力を高めている。

 ユニクロやしまむらと、ライトオンの明暗が分かれたのは、商品力とブランドイメージにあるといえる。ライトオンはファッション感度が高い人から支持を得ているとはいえないだろう。郊外のロードサイドから育ったアパレル企業で、それ以上でもそれ以下でもないというイメージから脱却できていない。「オシャレに目覚める前の中高生が好むブランド」といった声も聞かれる。

 誰もが思い浮かぶヒット商品が見当たらないことも商品力の欠如を示している。ユニクロであれば「ヒートテック」や「フリース」などがすぐに思い浮かぶ。有名デザイナーを起用し、お洒落な洋服も手がけている。例えば「ルメール」とのコラボが話題になるなど、ファッション性のある商品も取り揃えて充実してきている。

 しまむらであれば「裏地あったかパンツ」が15年に110万本を売る大ヒット商品となった。また、他のブランドや団体とのコラボ商品が有名だ。例えばディズニーやスヌーピー、初音ミク、新日本プロレスなど、挙げればきりがないほどのブランドや団体とのコラボ商品を販売してきた。しまむらで掘り出し商品を探すこと意味する「しまパト」、しまむらの商品を愛用する「しまラー」といった言葉が広まっていることからもわかるように、しまむらには熱心なファンがいる。

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