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公安警察大国・日本の誕生…共謀罪で国民への監視・盗聴拡大、でっち上げで誰でも逮捕可能

構成=編集部
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テロ等準備罪で共産党が追い詰められる可能性は

──2016年3月、政府は共産党が公安の調査対象団体であることに言及し、先日は公明党がこの件を蒸し返しました。テロ等準備罪の施行により、共産党が捜査の対象になることは考えられますか?

 共産党は、先に述べたように警視庁なら公安総務課が視察対象としています。その理由は、共産党がかつて「革命遂行の時期が来た」として暴力的破壊活動を敢行し、社会を混乱させたという“前科”があるからです。

 少なくとも公安警察は、「共産党は思想の拠り所として、マルクス・レーニン主義に基づく暴力革命論を堅持している」と考えています。そのため、現在は破壊活動防止法の適用を念頭に入れた視察活動を行っているわけです。テロ等準備罪が施行されたとなると、適用法令に追加し、共産党が革命蜂起した際に備えようと判断することはあり得ると思います。

 実のところ、公安警察は極左暴力集団によるテロ・ゲリラが活発であった頃は警察内での影響力も強く、予算や人員も相当数を確保していました。

 ところが、極左暴力集団も高齢化が進み、左翼運動も過去の遺物となった今、当時に比べてかなり弱体化した組織になっています。国際テロの脅威を根拠に外事三課を創設し、予算と人員を確保したものの、我が国でテロが発生していないことから、ますます存在意義が問われています。

 そういう意味で、今回のテロ等準備罪施行によって、「公安警察の起死回生のためにも、おおいに期待できる」と現場が燃えていることは想像に難くありません。しかし、ここで私が最初に申し上げたことを思い出していただきたいのです。

 公安警察に限らず、警察という組織は警察官全員に対して「個人の権利と利益は、どこまで合法的に侵害可能か」を叩き込むのです。そのため、私のようなOBでも、公安警察が権限を増大させていくほど、かつての特高警察の悪夢が蘇ります。

 私が「テロ等準備罪が“パンドラの箱”を開けてしまうのではないか」と不安を感じているのは、まぎれもない事実です。
(構成=編集部)

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