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松居一代のバイアグラ連呼動画で広がる「誤解」…ED、治療によって生活の質向上が一般的

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「Thinkstock」より

 女優・松居一代が、夫で俳優の船越英一郎をバッシングする動画が公開され、話題となっている。その動画の中で松居が船越を「バイアグラ男」などと激しくなじっていることもあり、すっかりED(勃起不全)治療薬「バイアグラ」にはネガティブなイメージがついている。果たしてバイアグラは、“危険な薬”なのだろうか。

 松居は動画の中で、船越がバイアグラを服用して健康状態が危険な状態にあると強調している。そのため、バイアグラのイメージはすっかり落ちている。

 そのため、動画や報道を見た多くの男性たちは、バイアグラは危険な薬だと思っているのではないだろうか。男性たちにとって、EDは大きな問題であるにもかかわらず「人に聞きづらい問題」である。松居の動画を見ていると、バイアグラに少し誤解があるようなので正しく知っていただきたい。

EDとは

 最近では、「勃起不全」より一般的な呼び名となりつつあるEDとは、erectile dysfunctionの略だ。通常、性的刺激が起こると脳からの信号が副交感神経を介して陰茎に伝わり、陰茎海綿体の動脈が広がって血液が流れ込む。陰茎海綿体はスポンジ状であるため、流れ込んできた血液を吸収・膨張して硬くなり、勃起する。それが、なんらかの原因で動脈の広がりが悪く、海綿体が膨張するのに十分な血液が流れ込まなくなり、勃起することが難しくなった状態をEDという。その原因はさまざまだが、松居が主張するように、糖尿病もEDを引き起こす原因のひとつであることは事実だ。

 EDの代表的な原因は、以下のとおりだ。

(1)ストレスなどの心理的原因

 現在進行形の仕事やパートナーとのストレスが原因となるケースと、過去のトラウマなど深層心理になんらかの原因があるケースがある。

(2)生活習慣病や泌尿器系疾患

 糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病による血管障害や神経障害が原因となり起こる。また、前立腺肥大症、前立腺炎などの泌尿器科系の疾患も原因となることがある。生活習慣病は加齢により進行することもあり、加齢もひとつの原因といえる。

(3)薬の副作用

 服用している薬による副作用でEDとなることもある。代表的なものは、一部の中枢神経や末梢神経に作用する薬、循環器系に作用する薬、前立腺肥大治療薬などが挙げられる。

 松居が動画の中で船越を「勃起不全! バイアグラ男!」と繰り返し罵倒するので、まるでEDやバイアグラが責められているようだが、決してEDとバイグラが悪いわけではない。

 EDに悩む男性たちの多くは、「EDで病院へ行くなんて恥ずかしい」という気持ちがあるようだ。筆者も実際に過去、多くの患者から薬の副作用によるEDについて相談されているが、どの患者も相談までかなりの勇気がいったと打ち明けていた。経験の浅い医師や薬剤師のなかには、EDの相談にうまく答えることができない人もいるのは現実だ。そこで、EDの治療にはED治療専門クリニックの受診がお勧めだ。専門の医師からすれば、EDは恥ずかしいことではなく、むしろ治療によってQOL(生活の質)の向上を計るのが当たり前と考えるので、安心して受診してほしい。

ED治療薬

 現在、ED治療薬にはバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類がある。それぞれに特徴があるが、共通する作用は、陰茎の動脈を広げて血流を改善し海綿体が膨張するのに十分な血液が流れ込むことで勃起を促すという点だ。それぞれの特徴は以下の通りだ。

・バイアグラ…世界で最初に開発されたED治療薬で、頻用されている。服用後1時間程度で効果が現れる。その作用は強力だが食事の影響を受けやすく、空腹時に服用しないと効果が落ちる。効果は5時間程度。

・レビトラ…効果の発現が早く、個人差はあるが服用後20~30分で効果が現れる。効果は5~10時間程度。バイアグラよりは食事の影響を受けにくいが、空腹時の服用が推奨される。

・シアリス…効果の発現に1~3時間と、少し時間がかかるが長時間作用する。効果は20~36時間程度。食事の影響を受けにくいため、服用時間を選ばないという利点がある。

【ED治療薬の副作用】

 松居が動画の中で、「船越がバイアグラ服用後に心臓を抑えて呻き声を上げた」と供述しているが、ED治療薬の副作用には注意が必要だ。ED治療薬に共通する副作用には、顔の火照り、目の充血、頭痛、動悸などがあるが個人差も大きい。また、心臓の病気などによりED治療薬を服用できない場合には、内服以外にも陰茎海綿体注射などの治療があるので、自己判断ではなく医師に相談してほしい。

 動画の中で、松居があまりに「勃起不全」「バイアグラ男」と叫んでいるので、今回はEDとED治療薬について説明したが、筆者は個人的には性交は愛の指標ではないと考える。まして、長年連れ添った関係であれば、「信頼」に勝る愛の指標はないと思うが、読者諸氏はどう考えるだろうか。ED治療薬を服用しても、いわゆる「ムラっとする」気持ちがなければ思うような効果が得られないといわれている。EDの改善には、ED治療薬よりもパートナーと語り合い、より信頼を深めるような時間を持つことで、解決策が見えることもあるのではないだろうか。
(文=吉澤恵理/薬剤師)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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