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創価学会、国政や東京都政を実質コントロール…公明党、理念失い権力にすり寄る無節操

文=小川裕夫/フリーランスライター
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創価学会票は大きな影響力

 それでは、今回の都議選で公明党はどうして自民党との協力関係を解消し、都民ファとの協力を選んだのか。それは、選挙に勝つためとしか説明できない。公明党は自分たちの信条に基づいて自民党や都民ファの会といったパートナーを決めているわけではない。単に、そのときの風を読み、勝ち馬に乗っているだけなのだ。そうした公明党の節操のなさは、以前から指摘されてきた。公明党が自分たちの政治信条や政策とは関係なしに、権力側にすり寄っていることを揶揄する政治家も多い。

 公明党に政治信条がない。勝ち馬に乗っているだけといったことを如実に表しているのが、大阪だろう。

 もともと、大阪府市の公明党は自民党と協力関係にあり、一時的には大阪都構想に否定的な立場だった。ところが、橋下徹市長(当時)による維新ブームが起きると簡単に寝返った。大阪府議会・大阪市議会の公明党は着々と与党・大阪維新の会と関係を深めている。在阪の新聞記者は言う。

「国政で権力の味を知ってしまった公明党は、地方でもとにかく与党でいたいという思いが強くなっている。そのため、国政では自民党、東京では都民ファ、大阪では維新につくなど、無節操な状態になっている。一見すると、公明党は与党にいいように使われているだけの補完勢力のようにもみえるが、実態は違う。公明党の支持母体である創価学会票によって、国政では自民を、大阪では維新をコントロールしている」

 創価学会の基礎票は、全国で800万票ともいわれている。低投票率になればなるほど、創価学会票は大きな影響力を及ぼす。

 それだけに自民党も維新も、そして今回の都民ファの会も公明党を袖にすることはできない。先の都議選は前回より投票率が上がったとはいえ、51.28パーセントと低く、創価学会票が選挙結果を大きく左右した。

 自民党と連立を組むことに不満を抱いている創価学会員も少なからずいるが、多くの学会員たちは連立先が自民党だろうと都民ファの会だろうと関係がない。とにかく、公明党に票入れ、公明党と協力関係にある友党を応援するだけなのだ。

 都議選で公明党が都民ファの会と協力関係であることを打ち出したことで、創価学会員たちはこぞって公明党候補者に票を入れ、都民ファの会の候補者を応援した。そのため、「都民ファ大勝の陰の立役者は創価学会」であることを暗に認める都民ファの候補者たちもいた。

 今回の都議選は自民党の大敗、そして小池旋風による都民ファの躍進ばかりが注目された。それは一面的には事実に違いない。だが、政界関係者たちは創価学会票の存在感を再認識させられた。

 都議選の真の勝者、公明党の高笑が止まらない。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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