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江川紹子の「事件ウオッチ」第82回

金子恵美、鈴木貴子議員批判などへの違和感…それは本当に「特権」なのか?過剰な反発が自分の首を絞める

文=江川紹子/ジャーナリスト

「ルール無視してイチャモンつけて、お金をせびるのがお仕事なんですか。いいご身分ですね。私は10年以上、旅行とかしてないですけどね」
「馬鹿野郎。謙虚に生きろ。図に乗るなこの野郎。邪魔、目障り」
「障害者だからって威張るな。障害者はしね。クレーマー」

 そんな罵倒がいくつも並んでいた。

 奄美空港でも、ほかの空港と同じように、車いすでの乗り降りができるようになれば、足の不自由な障害者だけでなく、足腰の弱った高齢者も助かるだろう。

 人は、誰もがいつかは老いる。事故や病気で歩けなくなることもある。車いす対応の場所が増えれば、自分の足が不自由になった時にも助かるではないか。この男性の行動と、その後の航空会社の対応によって、世の中は、またほんの少し住みやすくなったといえる。

 その契機となる問題提起をした人を叩くというのは、社会にとって有害な行為にほかならない。

「特権」に反発する前に、頭を冷やし、少し想像力を働かせて考えてみてほしい。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)

江川紹子/ジャーナリスト

江川紹子/ジャーナリスト

東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。


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