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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

中国・習近平、米国の圧力で窮地に…対立派幹部への粛清激化、共産主義回帰へ

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アメリカのドナルド・トランプ大統領(左)と中国の習近平国家主席(右)(写真:新華社/アフロ)
 中国の権力闘争が激化している。秋には5年に1度の中国共産党全国代表大会が開かれるが、これに向けて党内の粛清合戦が始まっているのだ。


 7月に入り、習近平国家主席の後継候補と目されていた政治局員の孫政才氏が「重大な規律違反」で調査されることが決まった。孫氏は重慶市のトップにあたる党委員会書記を務めており、党大会で政治局常務委員入りの可能性も取り沙汰されていたが、事実上の失脚だ。

 習政権になってから、現職の政治局員が摘発されるのは初のケースだ。さらに、孫氏の後任には習主席の側近である陳敏爾氏が起用されたことも波紋を呼んだ。

習近平、言論弾圧を強化…反中メディアが売却も


 中国の政治体制は、企業における取締役会と株主総会の関係に近い。企業でいう取締役に該当するのが、政治局常務委員である。この政治局常務委員による多数決で役員人事が決定され、逆にいえば更迭などのクーデターも可能となるわけだ。

 現在、政治局常務委員の定数は7人。このポストに誰が就くかで、習主席の政治力も左右されるというわけだ。習主席は、自らに近い「太子党」の勢力を伸ばしたいという思惑があるが、それを対立派閥の「中国共産主義青年団」が阻止するという構図になっている。

 今回粛清された孫氏は、「共青団のホープ」ともいわれていた人物だ。共青団は、株主総会にあたる今秋の党大会で「相当数が常務委員入りするのでは」とされてきたが、その流れに「待った」をかける動きといえるだろう。

 また、習主席は“先祖返り”的な共産主義への回帰と言論弾圧を強めており、それを受けてか、政権に批判的な言動を取ってきた香港メディアの壱伝媒が売却されるという動きがあった。広告出稿の激減による経営の悪化が主な理由とのことだが、中国批判を展開するメディアは企業活動を行いづらいという点は否めない。ちなみに、この壱伝媒は台湾でも新聞やテレビを持っており、「アップルデイリー」として知られている。

「100日計画」頓挫で米国の圧力が強まる中国


 党大会を控えている習主席にとって、今は非常に難しい時期だ。中国は政治、経済、外交、北朝鮮、領土など諸課題を抱えているが、求心力を高めたい習主席はすべてにおいて妥協することができない。そんな状況下で、身動きが取れなくなってしまっているのが実情だ。

 4月に行われた米中首脳会談では、貿易および北朝鮮の問題について100日以内に成果を求める「100日計画」が策定された。しかし、期限となる7月中旬を過ぎても、中国の対北制裁には大きな進展がない。そのため、アメリカはあらゆる方面で中国に対して強い圧力をかけている。

 7月の米中包括経済対話では、予定されていた個別の記者会見も共同声明の発表も見送られ、ほぼ成果なしに終わった。習主席としては強気の姿勢を崩すわけにはいかないが、国内に目を向けても経済政策は行き詰まっているのが実情だ。

 たとえば、かねてから問題視されているゾンビ企業の存在がある。本来なら赤字で倒産しているはずの国有企業が、政府や銀行からの融資によってゾンビのように生きながらえているというものだ。

『決裂する世界で始まる金融制裁戦争:米中朝の衝突で急変するアジア 共謀罪・マイナンバーで叩き潰される者たち』

北朝鮮問題に何ら対処せず、ICBMの開発を許した中国に対して、米国はついに金融制裁を発動! 朝鮮・アジア情勢は今後、新局面へと突入する。

一方、日本はテロ等準備罪が成立し、パレルモ条約締結にようやくこぎつけた。これでマイナンバー、テロ3法と合わせて、中国・北朝鮮とつながる反日過激派テロリストが炙り出されることになる。

激変する世界のなかで進む「金融制裁戦争」の行方とは!?

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