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芸能界、世間が知らない「枕営業」「タレントと事務所の契約」の驚愕の実態

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不安定すぎる芸能人の「第二の人生」


――「セカンドキャリア形成の支援」については、いかがでしょうか。

河西 たとえば、10代からアイドルとして活動してきて、25歳でアイドルを卒業――当然、その後の人生のほうが圧倒的に長いです。引退後の人生のほうが長いプロ野球選手なども同様ですが、芸能人のセカンドキャリアは死活問題です。

 プロ野球選手の場合、引退後に企業側が知名度を生かすべく営業職などで採用するケースがありますが、実はアイドルも同様に「卒業後に採用したい」という企業側のニーズはあります。レイ法律事務所は企業の顧問弁護士も多く手がけているのですが、そういった相談を受けることもあります。

 大企業であれば広告代理店を通じて派手なCM展開を行うこともできますが、中小企業では難しい。しかし、「元アイドルの○○さんが働いている」となれば、企業側にとっては大きな宣伝効果が見込めます。

 企業に採用されるか否かにかかわらず、若いときからタレントやアイドルとして生きてきて、30歳や40歳になって一般社会に放り出されるという状況は、とても不安定です。

 なかには、精神的に不安定になったり、薬物に手を出したり犯罪行為に手を染めてしまったりするケースもあります。「芸能人でなくなったときに、どう生きていくか」というのは大きな課題であり、セカンドキャリアの形成は犯罪抑止にもつながる活動です。

 弁護士が介在して元芸能人と企業のマッチングをすることで、芸能人の第二の人生をサポートしたいと考えています。

芸能事務所がタレントの移籍を禁じる理由


――「地位向上」については、やはり事務所優位の体制を改めるということでしょうか。

河西 芸能人の方々の雇用形態は、歩合制度や業務委託が多いのが実態です。珍しいケースは、モーニング娘。'17など「ハロー!プロジェクト」のメンバーが所属するアップフロントプロモーションで、固定給であるといわれています。

 これは、ツアー日程やCDのリリース時期などの業務サイクルがある程度確定しており、グループの年間売り上げ見込みが立ちやすいことから、固定の給与制にすることができていると考えられます。他方で、売り上げの見込みが不明確となる地下アイドル業界では、ほぼすべてのケースが歩合制になっています。

 ただ、先ほども述べたように、契約書によって芸能人に多くの義務が課せられており、不利な条項が結ばれています。肖像権をはじめ、音楽や映像などの権利も事務所が独占し、販売時期なども事務所が決めることができます。今後は、ERA作成の統一契約書を普及させることで、そうした慣習を変えていき、芸能人と事務所が対等かつ公平な契約を締結できるようにしたいと考えています。

 ただ、一方では事務所が芸能人を契約書で縛ることには、一定の合理性があります。事務所は無名のタレントを育てるために、3~5年かけて先行投資を行っています。売れたからといって、すぐに移籍されてしまっては、事務所の存続にかかわる事情もわかります。

 実際、判例のなかにも「芸能プロダクションは初期投資を行ってアイドルを媒体に露出させ、それにより人気を上昇させてチケットやグッズの売り上げを伸ばし、そこから投資を回収するビジネスモデルを有している』と明言したものもあります。

 しかしながら、あまりに不公平な現状を是正するためには、ERA作成の契約書を普及させることが必要と考えています。

 もうひとつは、立法提言です。日本には、芸能人と事務所を規律する法律がありません。芸能界に関係する民法や商法、あるいは過去の判例に基づき、芸能人に関わる法律の制定を提言します。

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