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週末の夜更かしで心疾患リスクが増大…肥満、心臓病、うつのおそれも

文=森真希
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「体内時計」の故障が肥満や病気を招く

 社会的時差ぼけがさまざまな病気を招くのは、「概日リズム(サーカディアンリズム)」、いわゆる「体内時計」が狂うためである。

 人間には、24時間周期でリズムを刻む体内時計が備わっている。体温や血圧、心拍数、ホルモンの分泌などは、体内時計に合わせて変動している。

 本来、人間の体内時計は25時間周期だ。それを地球の昼夜サイクルに合わせるために、光や食事、睡眠などによって24時間周期に調整しているのである。例えば、朝日を浴びると起きて活動し、日が暮れて暗くなると寝ることで、体内時計は24時間に同調するわけだ。

 体内時計の研究が進み、薬物治療や栄養学も変わってきた。薬を飲む時間を体内時計に合わせるだけで少量でも高い効果が得られたり、食事時間を体内時計に合わせるだけで食事量を減らさずにやせられたりするのだ。

 古谷彰子博士(理学)の著書『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、「何をどれぐらい食べるか」ではなく「いつ食べるか」のほうが肥満への影響が大きいと書かれている。

 逆を言えば、体内時計が狂う社会的時差ぼけによって、薬が効きにくくなったり、食事量が少なくても太ったりするということである。

 平日は規則正しい生活を送っていたとしても、週末に夜更かしや朝寝坊をしただけで、体内時計が狂ってしまう。その結果、学業での成績や仕事の能率が大幅に低下する可能性がある。肥満や重篤な病気を防ぐためにも、週末は夜更かしせず、子どもも大人も早く寝たほうがよさそうだ。
(文=森真希)

森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

※ 初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

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