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いきなり!ステーキ、米国で大人気&賞賛の嵐…日本式そのまま導入、抱える危険なリスク

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

日本式システムがニューヨークでもヒット

 こうした「立ち食い」「オーダーカット」など日本発の「いきなり!ステーキ」独自のスタイルを、ペッパーフードサービスでは「J-Steak(ジェイ・ステーキ)」と呼び、オーダーカットのことを「Japan Cut(ジャパンカット)」と呼んでニューヨーカーに訴求している。ニューヨークでは珍しい紙エプロンやテーブル下に荷物を入れる物置を用意するなど、日本流のおもてなしスタイルも導入している。「日本式のステーキ店」という珍しさが受けている面もありそうだ。

 日本で人気がある「肉マイレージカード」も健在だ。1ドルの手数料を支払うとメンバーズカードが手に入る。肉を食べた分だけポイントが貯まり、ステータスが上がっていく仕組みだ。メンバーズカード、ゴールドカード、プラチナカードの順にランクアップしていき、各ランクで特典が付くのは日本と同じだ。なお、日本国内店舗で採用されている「ダイヤモンドカード」は、ニューヨーク店ではない。

 メンバーズカード会員になると毎年の誕生月に5ドル分のクーポンを受け取ることができ、ゴールドカード会員になると10ドル分のクーポンを受け取ることができる。また、店を利用するたびにノンアルコールドリンク1杯が無料になり、誕生月はリブロースステーキが1回無料となる。プラチナカード会員の場合、30ドル分のクーポン、ドリンク1杯無料、誕生月は好きなステーキが1回無料となる。

 このような日本で人気のシステムは、ニューヨーカーにも受け入れられている。ニューヨークでも絶好調の「いきなり!ステーキ」。日本国内では6月末時点で129店を展開し、ペッパーランチの142店に迫ろうとしている。勢いは止まらない状況だ。

 ただ、ペッパーフードサービスはリスクが高い状況にあることも事実だ。展開するすべての業態店が単一食材(牛肉)に依存したメニュー構成のため、BSEなどの牛肉特有の問題や、市場価格・為替相場の変動により、食材費が顕著に高騰するといった問題が発生してしまえば、一気に経営が傾いてしまう恐れがある。

 また、急成長しているだけに、管理が行き届かないことで不祥事が起きてしまうといったリスクもつきまとう。事実、07年にペッパーランチ心斎橋店の店長と従業員が女性客を暴行するという事件が起きた。09年にはO-157による食中毒事故が発生している。こうした不祥事が今後は発生しないようにしなければならない。そういう意味で、急拡大している今こそ正念場といえそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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