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「こんなのコード・ブルーじゃない!」とファンの不満噴出…嘘だらけで何も心に残らず

文=西聡美/ライター

 CMを除くと本編45分程度。この時間に描かれた事柄をまとめると――強気なシェフと緋山、橘啓輔先生(椎名桔平)の息子の病気、死にたい研究者とその妻、手術に踏み切れない奏、冴島の危機と赤ちゃん問題、自信喪失の灰谷。この6つが次々と切り貼りされる展開だったが、どのエピソードも感動に至らずに終わっていった第3話だった。こんなにたくさんのことがあったのに、何も心に残らない。第2話で感じた脚本への黄色信号が、完全に赤信号に変ってしまった。

 命の重みをテーマにしている割には、冴島の新しい命に対する姿勢や、患者の心を殺すような失言をする緋山に疑問を感じる。院内自殺を図った男性の心のダメージにもピントが合っておらず、藍沢に格好いいセリフを言わせるために自殺を図らせただけのように感じてしまった。脳腫瘍の女子高生に関しては、ストーリーの邪魔をしてはいないか? 彼女のエピソードが命の重みを伝える相乗効果を成しているとは到底思えない。

 ドラマのセオリーとして有名なものに「大きな嘘はついても、小さな嘘はつくな」というものがあるが、今回の『コード・ブルー』には小さな嘘が多過ぎる。激務で悩みが山積の救命にあって、女性陣がみな化粧バッチリでおしゃれな髪型をしているし、フェローたちが医者の意識ゼロなのも嘘っぽい。全体的に緊張感がなく、いつも皆、余裕な感じ。起こる事故の内容は大嘘をついてもOKだが、そこで巻き起こる人間の心理や、救命救急の空気感に嘘はついてほしくない。この小さな嘘の数々が脚本を薄っぺらくしている要因の一つではないか。もちろん、演出の問題も大いにあるが。

 多くの『コード・ブルー』ファンから、「こんなの『コード・ブルー』じゃない!」という声が挙がっている。自分たちで作った名作を自分たちの手でぶち壊していくフジには、もはやドラマに対する審美眼を持ったスタッフがいないのか……。どういう理由で脚本家を交代したのか分からないが、このままではマズイということだけは気づいてほしい。
(文=西聡美/ライター)

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