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JR東日本、「60ホテル・1万室」構想で怒涛のホテル建設…空前のホテル大余剰の懸念

文=編集部

JR東日本のホテル事業の年商は516億円

 JR東日本グループが展開する直営ホテルの中核は、JR東京駅丸の内駅舎内の東京ステーションホテルだ。東京駅開業翌年の1915年創業で、今年創業102年を迎えた。東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事と同時に12年10月、全館リニューアルオープした。客室は150室。駅舎とともに東京の新名所となっている。

 シティホテル系は「メトロポリタンホテルズ」だ。ホテルメトロポリタン(池袋)、エドモンド(飯田橋)など10ホテルで客室は3032室に上る。17年3月期の営業収益は143億円、稼働率は82.0%となっている。

 JR駅近くの宿泊特化型(ビジネスホテル)の「ホテルメッツ」は、23ホテルで客室2687室、営業収益は83億円、稼働率は85.8%だ。

 リゾート系の「ホテル ファミリーオ」や「ホテル フォルクローロ」は、8ホテル344室、アーバンリゾートホテルの「ホテルドリームゲート舞浜」は1カ所で80室。

 17年3月期末現在、総計でJR東日本グループは43ホテル、6293室を擁している。

 JR東日本は、横浜港の山下公園の目の前にある、横浜で唯一のクラシックホテルであるホテルニューグランドに3.73%出資している。同ホテルはJR東日本グループのホテルで構成されているJR東日本ホテルズの準会員となっている。

 JR東日本の17年3月期のホテル事業の営業収益は前期比1.3%増の516億円、営業利益は6.0%増の44億円だった。

「メトロポリタンさいたま新都心」など、開業したホテルや開業を予定しているホテルは7カ所で1441室。目標を達成するためには、あと10ホテル、2266室が必要になる。今後の展開は、ホテルメッツのように1物件当たり200室前後のビジネスホテルが中心となるだろう。

 これまでは自社用地にホテルを建設していたが、今後は他社が建設したホテルをリースすることもある。また、東日本エリア以外の地域でも事業化を検討する。

 JR東日本グループの直営ホテルは15年以降、2年ほどつくられていなかったが、インバウンド(訪日外国人)の増加を追い風に、ホテル経営のアクセルを踏んでいる。

 ホテルは空前の建設ラッシュだ。土地持ち企業であるデベロッパーや鉄道会社がこぞって着工している。あまりに増えすぎて、20年の東京オリンピック後に“ホテル・バブル”が弾けることを懸念する声すらある。

 果たしてJR東日本はホテル戦争の勝ち組になれるだろうか。
(文=編集部)

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