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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

トヨタ「空飛ぶ車」、東京五輪で聖火台点火か…空飛ぶタクシー、エアバスが年内に運行

文=浜田和幸/国際政治経済学者

 この背景には、ドバイ政府の未来戦略が隠されている。それは「30年までに同国ではすべての移動手段の25%を無人の自動走行で対応できるようにする」というものである。

 とにかく中東のドバイは今や空飛ぶ自動車の実験場となりつつある。17年7月から、中国のドローンメーカーであるイーハン社は世界初の人を運ぶドローンをドバイで運行すると発表したからだ。

 さらには、ドイツのカープレーン社でも、その名の如く空飛ぶ自動車の実用化に向けて試作車の実験に余念がないようだ。同社ではアメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)から著名なエンジニアをヘッドハンティングし、実用化に弾みをつけている。彼らの合言葉は「移動手段のコンセプトを変える」。ドイツの地方政府からの資金提供も受け、着実に成果を挙げているようだ。

エアーカーが実現

 思えば、空飛ぶ自動車を最初に構想したのは「自動車王」と異名を取ったヘンリー・フォードであった。1926年のこと。次いでアルファ・ロメオも40年代に試作車を製造したが、期待した成果は得られなかった。

 ようやく100年近くたって、空飛ぶ自動車が現実のものになろうとしているわけだ。言い換えれば、「飛行」と「ドライブ」が一体化した、新たな産業が生まれつつあるということである。もちろん、飛行機と同様にパイロットの資格は必要になる。そのため、アメリカでは20時間の飛行経験で資格が取れるような法律の改正も行われている。もちろん、乗せてもらうだけなら、そんな資格は要らない。

 必要なのは上空3.5キロまで飛び立ち、ロボットパイロットなりレーダー技術による無人操縦を信用する勇気であろう。空中衝突や墜落を防止するための安全装置の研究も進む。また、非常時の脱出用のパラシュートの改良も行われている。当初は事故や問題も発生するだろうが、時代は確実に「空飛ぶ自動車」を必要としており、どのような困難があろうと最終的には克服されるだろう。

 また、燃料革命も始まった。何かといえば、「空気だけを燃料に走る自動車(エアーカー)」が登場したのである。日本ではまだほとんど知られていないが、この空気自動車を開発したのはフランスの自動車メーカー「ルノー」でF1レース用のエンジンを研究してきたガイ・ネグロ博士である。

浜田和幸/国際政治経済学者

浜田和幸/国際政治経済学者

国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士

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