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任俠団体山口組が「任侠山口組」へ組織名を改称…その狙いはどこにあるのか?

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組織改称とともに配布された「任侠山口組」のブロック一覧表
  

「御通知
本日八月九日付をもって、任俠団体山口組から、任侠山口組へ組織名を発展的改名致します。予想を遥かに超える短期間で任俠団体と言うフレーズが広く世間に浸透しました。これは、《反社と言う枠内の暴力団》を否定し、田岡三代目親分の念願である《真の任侠団体》を志すと言う意味において、我々の目指す最終地点が暴力団ではなく任侠団体であると言う主旨を発信すると言う第一段階の目的は達した。これを機に、シンプルに任侠山口組と改名するが、真のヤクザ、真の任侠を追求する事に変わりは無い。同志の皆さん、本日を機に、更に団結し、更に助け合い、志に向かって邁進しましょう!」

 神戸山口組から割って出た、任俠団体山口組が兵庫県尼崎市で産声を上げてから3カ月あまり。そのわずかな期間に、ブロック制の導入、京滋連合や二代目植木会といった組織の加入など、新たな動きを加速させているが、今回は組織の名称変更を行った。8月9日をもって、任俠団体山口組が「任侠山口組」になったのである。冒頭に掲載した「御通知」はその日、関係者の間に流れた文書である。関係者の話によれば、改名に伴い、これまで使用していた「任俠」の俠の字を、利便性の高い新字体の「侠」に変更したようだ。

 この改名の意図するところはなんなのか。ヤクザ事情に詳しい法律家は、次のような見解を示す。

「そもそも『任俠団体』と、組織名に『団体』を入れたのは指定暴力団として指定を逃れるためと見られていた。あくまで親睦団体的なものであり、組織的な活動を目的としたものではないことをアピールするためだと。一方、当局側は、任俠団体山口組は神戸山口組の内紛状態の中に存在しているもので、独立した新たな団体としては認識していない状況だ。この当局の見解は、よほどのことがない限り、この先も変わらないのではないか。そういった背景の中で、六代目山口組分裂以降、六代目山口組を『六代目』、神戸山口組を『神戸』と略すようになっている。そこに任俠団体山口組が結成され、同じように『任俠』と略す風潮が根付いてきた。であれば、『団体』という言葉がないほうが座りがいい。改名には、そういった面が考慮されたのではないか」

 これに対して、六代目山口組系幹部は、こう意見を述べる。

「『団体』を外したのには、組織内の序列化が関係しているのではないのか。漏れ聞こえてくる話は、結局、任侠(山口組)も元来のヤクザ組織同様に、横並びではなく序列をつけていく方向ではないかいうもの。そのため、横並びの組織との色が濃い『団体』という言葉を組織から外したのではないか」

 そういった意見がある中で、辛辣な意見を口にするのは神戸山口組系関係者だ。

「反社会勢力からの離脱をうたいながらも、やってることは何も変わらない。他団体と何かあれば、人数を揃えて示威的行為を行っている。組織名称の変更も実態が伴わないのではないか。誰しも冷ややかな目で見ているのが実情だ」

 もちろん、任侠山口組にとって、こういった批判めいた声が出るのは予測されたことだろう。そうした中で、矢継ぎ早に組織を動かす真意はなんだろうか。

 実は、任侠山口組内に関しては、組織名称の改名だけでなく、内部に新たな組織が発足されるという噂が流れている。

 捜査関係者は「なんでも神戸在住の任侠山口組に参加している組織が、親睦的なグループをつくるという話が出ているらしい。それにより、任侠山口組内に派閥ができる恐れは否めない」と見ているようだ。

 変貌し続ける任侠山口組。結成当初から標榜しているように、このまま本抗争など招くことなく、暴力団からの離脱、反社会勢力からの脱却を実現することはできるのだろうか。対する社会は、それを許容するのだろうか。また、六代目山口組、神戸山口組はどういった動向を示すのか。六代目山口組が分裂してから間もなく2年、今後を予想することすらできない局面が続いている。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。去年10月、初単行本『生野が生んだスーパースター 文政』(サイゾー)を刊行。最新刊は『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(同)。

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