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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

銀座の高級クラブで一大脱税発覚…ホステスに追徴課税1千万円か

文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人

納税額は1000万円超?

 内観調査に出向いた3人は、すぐに資料を切り、個人課税部門と連携して、従業員の把握に努めました。

 後日の実地調査では、通常通り売上や経費を調べる以外に、従業員名簿を過去7年分コピーし、女の子の氏名、住所、預金口座をリスト化します。銀座のクラブは給料が振込なので、収入の把握は比較的容易です。それを資料として女の子の住所地を管轄する税務署に流し、そのクラブの女の子に一斉に税務調査が入るのです。

 今回の場合、店の半分くらいの従業員が無申告ほ脱事案として、優先的に調査されます。もし、重加算税が賦課されれば、無申告の場合は40%の加算税と延滞税により、一人当たりの納税額は5年分で1000万円を超えた可能性があります。

 重加算税については、「仮装・隠ぺい」があることが賦課の要件となっています。国税庁の事務運営指針より、仮装・隠ぺいに該当する行為を以下に抜粋します。

・いわゆる二重帳簿を作成していること。
・帳簿書類を、破棄又は隠匿していること
・帳簿書類の改ざん、偽造、仮装を行っていること
・取引先に虚偽の帳簿書類を作成させていること
・本人以外の名義又は架空名義で取引を行っていること
・調査の際の具体的事実についての質問に対し虚偽の答弁を行い、事実関係を総合的に判断して、隠ぺい又は仮装が合理的に推認できること

 基本的には、書類の偽造や、通謀、虚偽の発言さえしなければ、重加算税の対象とはなりません。銀座のクラブのような特殊な業種でも納税は免れませんので、清廉潔白な申告をしてほしいものです。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)、『お金持ちがしない42のこと』(Kindle版)がある。
さんきゅう倉田公式ホームページ

Twitter:@thankyoukurata

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