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『コード・ブルー』のリアルな戦いの現場…先進国・ドイツと後進国・日本の厳然たる差

文=ヘルスプレス編集部
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ドクターヘリの課題点は?

 さて、このように世界のドクターヘリの活躍は頼もしいが、国内の医師不足と医療過疎が深刻化し、救急医療への危機感も高まっている現実も見なければならない。今こそドクターヘリの貢献度が問われているが、近未来に向けてどのような課題があるか、いくつか挙げてみよう。

 医療ドラマ『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(フジテレビ系)を観ているとわかるように、ドクターヘリは短時間で適切な応急処置のできる医師や看護師(フライトナース)を重体の傷病者に接触させなければならない。つまり、迅速性と機動性が生命線だ。

 ならば、ドクターヘリの実効性をさらに高める根幹は、何よりも厚生労働省の救急医療政策のさらなる推進と100億円以上の運営費の予算化による全国への普及だ。

「HEM-Net シンホシウム報告書(2015年2月)」は、ドクターヘリと消防防災ヘリの協力体制の強化を提言し、 明確な役割分担、情報共有、医療支援の充実を要請している。

 具体的には、消防本部司令室によるドクターヘリ要請基準(キーワード方式)の定期的な見直し、運航に関連するヒヤリ・ハットの分析、定期的な安全運航に関連する講習会の開催などによって、パイロットや整備士のクオリティを高め、安全運航の精度を上げることだ。

 もちろん、搭乗する医師や看護師(フライトナース)の訓練•養成も、病院のネットワークの緊密化も喫緊の課題になる。

 そのほか、航空搬送の両翼であるドクターヘリと「メディカルジェット」への理解、生活の安全や危機管理への認識を国民により深めてもらうことも必要だ。迅速性と機動性を生かす救急搬送はドクターヘリに、高度で専門的かつ包括的な計画搬送はメディカルジェットにといった具合だ。

 日本の空でも、世界の空でも、安全・爽快フライトを。近未来の航空搬送は、ドクターヘリとメディカルジェットの共生時代へ向かっている。
(文=ヘルスプレス編集部)

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