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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

なぜ医師は病気になると、自分の病院での治療&手術を嫌がる?失敗しない病院選び

文=新見正則/医学博士、医師

 常識君がコメントします。

「地理的な条件は大切だと思います。通院には最大でも2時間ぐらいが限度ではないでしょうか。それ以上では日帰りでの通院は厳しくなります。また元気なときは少々の強行旅程でもがんばれますが、体調が悪いときこそ近くの病院がうれしいものです」

 非常識君の質問です。

「では2時間未満の通院範囲に複数の病院があるときには、どこに行けばいいのですか」

 極論君の回答です。

「かかりつけ医の先生が紹介してくれる病院に行けばいいと思っています。でもどうしても何かの基準で選びたければ、世の中に流布している『病院ランキング』なども役に立つかもしれません。しかし、そんな『病院ランキング』も客観的な複数の指標でランキングしているものは非常に少ないですね」

 常識君の質問です。

「では、命にかかわるような治療や手術のときは、病院の内部事情などにまったく詳しくない一般人はどうやって病院を選べばいいのですが。また、いま通院している病院でこのまま治療を継続していいのかは、どうやって判断すればいいのですか?」

その病院がいいか悪いかを知る方法

 非常識君の意見です。

「その病院がいいか悪いかは実は簡単にわかりますよ。何人かの職員、看護師さんや技師さん、事務の人などと親しくなって、彼らが、その病気で自分が働いている病院で治療を受けるかを聞けばいいのですよ。でも十分に親しくないと従業員として対応しますよ。つまり自分では実はこの店では買い物をしないのに、従業員としてはそんなことは言えませんね。本当のことは吐露しませんね。十分に親しくなって、従業員の顧客としての思いを聞き出せばいいのですよ。結構な病院の職員が、実は自分の病院にはかかりたくないと思っているのかもしれません」

 常識君の意見です。

「確かに職員に忌憚のない意見を聞いてみることは相当な意味がありますね。また、その病院の経営者や責任ある立場の人が、本当はどこで治療を受けているかも実は知りたい情報ですね」

 常識君のまとめです。

「病院の選択は極論君が言うように運と縁と思ったほうが良いのかもしれませんね。何が最良な病院かの基準も曖昧では、クヨクヨする人は、ますます気が晴れない状態になりますね」

 なんとなく気が晴れない3人の会話でした。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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