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「ナイシトール」「コッコアポ」で胃腸障害の副作用も…「体に優しいやせ薬」のイメージは誤解!

文=森真希
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「ナイシトール」「コッコアポ」で胃腸障害の副作用も~<優しいやせ薬>という誤解の画像1「ナイシトール」「コッコアポ」の主成分に注意(depositphotos.com)

 漢方薬には、「穏やかな効き目で、体に優しい」「副作用がない」「体質を改善する」というイメージを抱く人が多いようだ。しかし、実際は真逆かもしれない。

「症状や体質に合う漢方薬」はスパッと鋭い効き目を発揮するが、「副作用を生じさせる漢方薬」もある。そして、「長期間にわたって服用してもいい」ものもあれば、「短期間の服用に限られる」ものもあり、成分や症状によって細かく分類されている。

 ダラダラと服用しないほうがいい漢方薬のひとつが、多くの医薬品メーカーが発売している第2類医薬品の「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」だ。防風通聖散は18種類の生薬を配合した漢方薬で、医療の現場では特に皮下脂肪の多い人に使われることもある。

 脂肪燃焼をうたった「ナイシトール」(小林製薬)や代謝コントロールをうたった「コッコアポ」(クラシエ)なども、防風通聖散が主成分だ。

 これらの商品は、あたかも内臓脂肪を減らすような印象を与える宣伝がなされているが、その主成分である漢方薬の防風通聖散が「やせ薬」ではないことを最初に断っておく。

漢方薬「防風通聖散」が<ダイエットに効果的>といわれるようになった理由

「中国三千年」、はたまた「四千年の歴史」などといわれるが、防風通聖散が考案されたのは800年ほど前と歴史は浅い。

 太古の中国では、病気の原因は「栄養不足」や「冷え」だと考えられてきた。しかし、今から800年ほど前に、「栄養過剰」による「体内にこもった熱」が原因で病気が治らないという考え方も生じるようになった。体の中で火が燃え盛るように、顔がほてり、カッカとイラ立って、皮膚には炎症が起こり、水分が不足して便が硬くなる――。

 こうした症状を解消するために生まれたのが「防風通聖散」だ。体内の余分なエネルギーを「外に出す」=「瀉(しゃ)する」効果があると考えられている。

 筆者が過去に取材した人のなかには、西洋薬がまったく効かなかった胃痛が、防風通聖散ですぐに解消した女性がいた。彼女は早口でしゃべる色黒のやせ型で、皮膚科医として働いている。ストレスでたまった体の熱が、胃にダメージを与えていたのだろう。

 筆者も上記の医師と同様のタイプで、若い頃は頑固な便秘に悩まされていた。西洋薬の下剤だと激しい腹痛と下痢を引き起こすのだが、防風通聖散はスーッと体の詰まりが取れる感じがして快便になるので、たびたび服用していた。

 漢方に詳しい医師が「防風通聖散は腹部にたまった毒を体の外に排出する」と解説していたが、その結果、肥満も解消され、「ダイエットに効果的な漢方」として防風通聖散が広く認知されるようになったのかもしれない。

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